第7話:事実は小説より奇なり。
「最初、僕はてっきりエバーランドって風俗かと思ってた」
「だからティンクルはデリヘルとかと一緒じゃないかって、出張サービスとか?」
「風俗なんかじゃないよ・・・エバーランドってあるんだよ本当に・・・」
「だけど、変じゃん・・・僕はネットでエバーランドの存在を知ったんだよ」
「異世界にエバーランドって場所があるなら・・・ネットでなんか繋がって
ないだろ?」
「それが繋がってるの・・・エバーランドってところは常に人間界を見守ってるの」
「親のない子供とか病気で苦しんでる人とか・・・そういう人に癒しを与えるため
にね」
「エバーランドっておとぎ話の中の話って思ってる?」
「実際に存在してて、ネットでも人間界にも繋がってるんだよ」
「広大はネットの中から偶然エバーランドにアクセスしちゃったんだね」
「それを見た私が、広大の抱えてる病気のことを知って、あなたのところに行って
あげなくちゃって思って・・・」
「広大は知らないでしょうけど、エバーランドからは私のような妖精が人間界に
やって来てるんだよ」
そうなんだ、エバーランドってところはピーターパンやティンカー・ベルや
妖精たちが住む異世界だよね、ピーターパンの話なら子供の頃読んだことがある
けど・・・」
「妖精?って・・・そんな夢みたいなこと・・・にわかには信じられないよ・・・
話が飛躍しすぎてるもん」
「事実は小説より奇なりって言うでしょ?」
ティンクルもピーターパンと知り合いなのかな?
妖精が僕の彼女?・・・妖精って背中に羽があってティンカーベルみたいに
小さいんじゃなかったっけ?
そのこともティンクルに聞いてみた。
そしたらそれこそ、おとぎ話の中の話だし妖精はちゃんと大人と同じくらいの
大きさだって言われた。
ティンクルが勤めていたのは風俗なんかじゃなかった、もっと不思議な世界から
やって来たって・・・。
僕はしばらく考え込んだ。
「広大もしかして、あなたネバーランドとエバーランド混同してない?」
「え?混同って?・・・ネバーラン・・・エバー・・・」
「あっ・・・あ〜・・・あはは・・・あははは、なんじゃそれ?」
「笑って誤魔化さない・・・基本的に違うからね」
「ネバーランドは絵本やアニメの中の話だから・・・」
まあ、こんな話を聞かされて驚くしかない訳で誰にも言えないよな・・・絶対
信じてもらえないの分かってるから、だから僕も黙ってよう。
黙ってティンクルと一緒に暮らして行こう。
それにしてもエバーランドが風俗やデリヘルじゃなかったとしても、やっぱり
妖精ってのはエッチいんだ・・・ティンクルだけかもしれないけど・・・。
つづく。
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