第16話
「頭が混乱しているよ……。自分の母親が女神だったなんて」
「元ね。元女神。今は人間よ」
「どうして黙ってたんだよ。魔法使えるなんてすごいじゃないか」
「えっとぉ……あの……女神であることは言えないルールがあってね……。でも、ばれないように魔法は使ってたのよ。カオルちゃん風邪ひいたこととかないでしょう」
「僕が病気しないのは魔法で治してたから? 知らなかった……」
カオルは両手で頭を抱え、信じられないという仕草をしている。
「で……僕の新しい名前って何だっけ?」
「桜空カズアキよ。桜の空と書いて『オウゾラ』ね。カズちゃん」
「それはこの身体の人の名前がそうだったの?」
「違うわ。『桜空』は、母さんの旧姓よ。『カズアキ』は二人目の子供が男の子だったら付けようと、パパと話していた名前よ。漢字で『平和に明るく』で、『和明』ね」
「そう……」
「それで、カズちゃんは私の甥で、親がオーストリアに仕事で行っちゃうから、しばらく私が引き取ったということにしたから。私の妹の息子という設定ね。ちなみに妹というのは、アトリア姉様のことになってるから」
「ちょっとややこしいなぁ! まあ、わかったよ。で、学校はどうするのさ」
「もう転入の手続きとってるから。明日から通学ね」
「え?! どこの高校?」
「もちろん、天河高校よ」
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