第2章

第13話

 雪が降る寒い日。とある会館でカオルの葬儀が行われている。

 親族の席にはカオルの父親側とみられる親族少数が座っている。親族以外ではフレイアの知人、そしてカオルのクラスメイトが参列していた。

 焼香する参列者に、立って丁寧に対応するフレイア。神妙な面持ちであるが、涙は流していない。なぜなら頭の中では『葬儀までしてしまって、この後どうやってカオルを蘇生させたらいいのかしら。生き返らせたら、やっぱり引っ越ししないと駄目かしら』とそんなことばかり考えていたからだ――。


 親族の焼香が終わり、クラスメイトの順番となった。クラスメイトは葬儀の間、暇そうにしたり、こそこそと世間話をしたりと悲しむ生徒がいない中、ユメとサヤカの二人だけが泣いていた。

 サヤカは焼香が終わり、泣きながらフレイアに頭を下げる。フレイアはそれを見て、こんなお友達もいたのだと驚きながら、少し微笑んで頭を下げた。

次にユメが焼香する。ユメはカオルにひどいことを言い続けてきていたこともあってか、フレイアと目を合わせることも、声をかけることもできなかった。フレイアはそれを見て、少し心配そうな顔をしている。

葬儀も終わりに差しかかったとき、ユメとサヤカ、そしてフレイアもあることに気づき始める。

ミラが葬儀に来ていなかったのだ――。

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