9
*
「きよら、ドリア美味しい」
その夜。
「ほんとう? 無理してない?」
わたしは真向いの椅子に座ったまま
「うん、俺の両親、飛行機で世界中飛び回ってて」
「お金振り込んでおいたから好きなもの食べな、が普通で」
「今まで俺の為に作ってくれる人いなかったからすごく嬉しい」
「作ってくれてありがとう」
嬉しそうに笑う
「こちらこそ、食べてくれてありがとう」
お礼を言い、わたしもドリアを食べて、
その後はふたりでゆったりと居間でくつろぎ、
いつもは
あ、
わたしはタオルを手に取り、居間から洗面所まで歩いて行く。
「
名前を呼び、そのままガラッと洗面所の扉を開ける。
「バスタオル、カゴに入れておく」
「ね…………」
髪が少し濡れ、
着替え前のかっこいいジャージズボンを
少し筋肉質な上半身だけが露になった
「とりあえず服着てバスタオル取りに行こうかと……」
服着る途中だったんだ……。
「……あ、さ、先走って、ごめんなさい!」
「いいよ。バスタオル、もらっていいか?」
「ど、どうぞ」
「じゃあ、わたし、すぐ出てくね」
わたしはそう言って背を向ける。
すると
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます