ゼッケン4番 大西省吾
ゼッケン4番
「さあここまでクリア者は1人としておらず。栄光の灼熱――クリアボタンを押すのは、現れるのか、そしてそれはいったい誰なのか?
続いては、大西省吾の挑戦です」と、実況が吠えた。
タイムカウント。ポ、ポ、ポ……
大西省吾は走りださなかった。彼はゆっくり全体の景色を見渡し、走り始めた。
*
作戦は大体見えた。まずはクワッドステップスだ。これはただ走るだけ。
ほ、ほ、ほい!
そして……ここか。4枚目の踏み板で俺は少し止まる。次のエリアへ飛び移るには、右足から出すか……。
「おっと、ちょうどよい跳びです!」
よかった、実況ナイス……ほめられると、嬉しい。人間の基本である。
そのあとは――走るな、待て? これはどうやら回転するらしい。慎重にゆこう。
一歩目、体が少し震えた。――よし、2つめもOK、走れ!
下り……とりあえず走る! おっと回った、意外と危なっかしいエリアだったな。
シルクスライダー、特に問題はない、掴むだけ。掴む、離す――慣性を考えるとここからが正解。OK、成功。
息つく間もなく走り出す。フィッシュボーンはただ回っている棒をよけるだけ。進――あ、足場ふらつくのね。歩く、歩く、歩く、――待つ、跳ぶ!
OK、残り27秒、まずいな。ドラゴングライダーは滑空するだけ? あ、簡単だ。トランポリンで跳ねる、つかむ、停まった! え、これどうやって移ればいいの?
ひとまず右手をかけて……あ、右手だけ走り出した。痛い痛い、切れるー。ひとまず右手離して、やり方がないから落ちるっと。お疲れさまでしたー……またリベンジしたいです、いつの間にか俺は泣いていた。
大西省吾 1stリタイア ⑤ドラゴングライダー 残り10.83s
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