ゼッケン5番 水上一花

 国王・水上の妹 14歳 「デキる女」。 145cm 49kg


 本編――


 始まった途端に軽快な動きを見せた。ものの数秒でクワッドステップス突破。テンポよく行って正解だった。


 ローリングヒル、少し回る、危ない。ここはゆっくりと行く。ローリングってついてるもん。ただのヒルだったらそれこそ通過地点だ。


 しかし――こんなのもわたしにとっては通過地点なんだよね。


 さあて、次はシルクスライダー。残り88秒。いいペースだ。ひょいと掴んで空を舞う。うーん、気持ちいい。


 ぱっと手を離す。あ、怖いかも。着地成功。次は、フィッシュボーン。お降りの方いませんか? できればエリアについている骨は落水してほしいんですが。


 なんて簡単になることを祈っちゃいけない。ここは修羅なのだ。私は慎重に、この修羅も潜り抜けた。


 走っていくと、ひし形が回っていた。「ツインダイヤか……」私はここで少し舞う。エリアの動きが3rdステージを彷彿とさせる。クリフディメンション、と行ったっけ。


 とにかく私は舞った。そして少し待った。時間があっという間に無くなっていく。次で入ろう。入った。おっと、君速いねえ。


……ナイス! 超えていったー。


「おっと水上一花軽快な動きを見せている!」


 次はドラゴングライダー。ここから新エリアはなくなる。残り45秒。私はトランポリンの跳び具合を確認した。……うん、いける。


 私はふたたび宙に舞った。最初は掴みづらかったが次第に慣れてきた。2つめのバーへ飛び移り、着地。いたっ、体ひねったー。


 さて、しかしあとは全力で押し込んでいくだけ。


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』


 私は空にほえる。あれ? 動かない。もう最後までいっていた。


 私は階段を登り切り、最終エリアへ到達。なぜかこの小説でここまで来てるの女子しかいない。本当に、なんで? 作者に聞いたところべつだん意味はないらしい。


 さて、跳んでいく。――届かない。あ、跳ぶんじゃないのね。今ので要領は掴んだ。


 激しい警告音が鳴った。おそらくこれが最終チャンスだ。私は助走をつけ、ゆっくりと飛び出していった――。

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