3-3「勇者になりたくない主人コウ~故郷への帰還を夢見て~」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895248490
◯タイトル
勇者の単語で剣と魔法の世界なのが分かる。主人公の公だけカタカナなのはなんだろう。これで人名だったりする?
異世界に行った人間が元の世界に戻りたがるのは自然な感情として理解できるけど、話が長く続いて異世界に居場所ができてもその動機を強いものとして維持できるかというと少し工夫が必要そうではある。
◯あらすじ
目立つのは同時に転移した勇者らしいもう一人と、複数人登場予定のヒロイン。ラノベ的方向としてはヒロインが複数いるのは当然のようなものとして、もう一人の転移者はどうなんだろう。敵対パターンが多いポジションだけど主人公が好戦的には全然見えないし勇者らしさがあるってことは悪人でもないよなあ。
異世界そのものに呼称があるのはたまに見るけど、それを使ってるのが転移中に会う神ではなく異世界人そのものなら、世界に呼称が必要になるほど転移が頻繁に起きている世界ということになる。過去に見境のない怪物が転移してきちゃった例もあるんだろうなあとか考えるとなかなかに危険。実際そういう世界なのかは知らないが。
◯書き出し
朝、既に異世界。今では見慣れた光景、であれこれもう異世界かなって思えて金髪碧眼の同居人でああ異世界っぽいなと確信できる。欲を言えば夜明けの風景に現世にはないものが浮かんでいても良かったかなとは思うが、初手で一旦異世界を見せてくれるのは話が早い。
そしてこれ本当に主人公の人名が主人コウだなこれ。人によっては手抜きとかダサいとかの声が出る手法なのだが、自分としては記憶容量を消費せずに済むため読むのが楽で助かるし、コウで切られていると真っ当な人名として受け入れられる。登場人物の多い能力バトルモノだと能力と名前が直結しているとかよくあるよね。ギャグみたいに活用してる作風もある。
一気にヒロイン出してきているのは、これがこの作品の目玉ですよという提示なんだろう。初手で目玉の提示がされているのはWeb小説的に強い。
◯1話
主人公で記憶容量を消費せず助かったが、続いて出るシウス、フローリア、ユイリ、トウヤ、シェリル、あとジーニスというのも名前か。語感で区別できる部分もあるがさすがに頭に入りきらず混ざる。
あとはやや描写の解像度が物足りないか。とにかく美少女である事よりも、イメージの起点になる要素が欲しい。
1話目も後半になると現世の話になるが、ハードな仕事の話の隙間に入れた家族への気遣いが目を引く。異世界から現世に帰りたがる理由付けとして説得力を上げるものがさりげなく差し込まれた感じはする。
仕事がブラックすぎて役割を果たさないとって動機で帰りたがる主人公がいたら少し面白いかと思ったけど、冷静に想像すると笑えないなこれ…
◯3話まで
同時召喚されたイケメンを除けばよくある剣と魔法の世界。転移もまあまあ一般的…ではないが知られている前提。トウヤという名前だけ聞いた時は日本人かと思ったがどうもそうではないらしい。テンプレに一捻りという形は理解のしやすさと新鮮さの両立ができて嬉しい。
注意深いタイプの主人公であり、その性格ならこう話を進めるだろうなと言う面では現実的なのだが、いささか説明的な言葉が続くために読む意欲が上がりにくい。ゲームの王様ははした金しかくれなかったなどコミカルな独白もあるので、この類のが多かったほうが好みではあった。
また、惹き込みという面では登場人物にクセが欲しかった。トウヤは気取りすぎな面でキャラ立ちを感じるが、序盤にはしては多めの登場人物に対しあまり印象に残るキャラ立ちが見えなかった気がする。あるいは話が急速に動き出すトラブルも欲しいが、プロローグ含めての3話ではそこまで至らなかったか。
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