その後、私と彼は結婚した。

私は別に、恋愛感情が分からないだけで、一生独身を貫いて生きていくと公言していたわけではない。

だが、突然の結婚報告に、周囲は大層驚いた。

誰もが和彩は一人で生きていくんだ、と勘違いしていたに過ぎない。

無能上司に至っては、「やっぱり世の中、結婚するのが1番の幸せよね〜」とかなんとかほざいていたが、「私はたまたま結婚するに至っただけですけどね〜」と返しておいた。

今の仕事を辞める気はない。人が少ないだけで、私にはこの職種が合っているから。

彼、佐々木広和は、峯本に姓を変え、私のアパートに越してきた。

私が「佐々木になりたくない、峯本のままがいい」と駄々をこねたため、合わせてくれた。

役所の手続きとか大変そうだったけどね。

戸籍上は夫婦になった私たちだが、この先、どんな風に暮らしていくかは想像もつかない。

私が好きを知るようになるのか、それとも墓場まで知ることはないのか。

ただ、支えてくれる彼のことは大切にしようかな、とは思っている。

STORY2 --END

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