STORY2 峯本 和彩

第13話

峯本みねもと 和彩かずさ・28歳の1ページ】





峯本みねもとさん、急なんだけど、今日の夜までにこれ終わる?」



終わる?っていうか、終わらせろってことでしょ。


この机の上の書類、見えてないの?



「分かりました。それはやっておきますが、これ以降は仕事持ってこないでください」


「ありがとう、助かるわ〜」



そういってお昼へ出かけてていく上司を見遣りながら、大きなため息をつく。



(何が『助かるわ〜』よ、あんたの方が数倍暇じゃない!)



心の中で舌打ちと悪態をつく。



私の勤める会社は、要は万年人手不足だ。



1人あたりの仕事量が半端じゃないにも関わらず、あの上司は私に仕事を押し付ける。



これをブラックと言うのかはわからないが、休みはあるし、残業代もちゃんと出る。



ひたすら、仕事量が多いだけなのだ。

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