第14話

(クソっ、あの無能課長、自分だけ楽しやがって)



仕事を引き受けてしまう私も私だが、さっき渡された書類は私の方が詳しい。


というよりも、一度引き受けてしまったが最後、私の担当になってしまったのだ。



(あー、お腹空いた。全部放り出して豪勢なお昼を食べたい)



などと考えつつ、週末の今日は絶対定時で帰ってやるんだ、と意気込む。



今日は、ずっと追っている少女漫画の最新刊が発売されるので、帰りがてら取りに行くのだ。


もちろん、特装版の方を予約済みだ。



こんな歳にもなって、とはよく言われる。



結婚の予定は?彼氏はいないの?とも。



それは、親や親戚からだけではなく、あの無能上司にも言われるのだ。



孫の顔が見たい、と急かされるのは百歩譲って分かる。


ただ、あの無能上司に関しては、マウントを取ってくるだけなので、非常に腹立たしいのだ。

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