12
どうして名前を知ってるの?
どうして、ここに居るの?
急なことに、頭が回らない。
「ねぇ、なんで連絡くれなかったの? 俺、待ってたんだけど」
「え、あの……」
池田くんとの約束は言えず、黙る。
正直に言ったら、池田くんが不味い立場になるかもしれない。
綾部先輩は「はあ」とため息をつくと、私の腕を掴んだ。
「やっ、」
抵抗は虚しく、強い力で引っ張って行く。
怖い、何が起こるのか分からない。
昇降口から一番近い空き教室に連れて行かれ、ドアを閉められる。
瞬間、唇を塞がれた。
その熱に驚いて、体が固まる。
軽く下唇を噛まれ、熱い肉厚が口内に入って来る。
今まで、誰かと唇を重ねたことなんてない。
ましてやこんな、ねっとりと絡みつくキスなんて、想像もしたことない。
「や、やだっっ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます