第18話

瞳は、高校時代の同級会に来ていた。

「ちょっと待って。掛け直します」

「わかった」

瞳は電話を切ると、隣の席の沙知に断って化粧室に向かった。

桂はその間に服を着て、スマホを片手に電話が鳴るのを待っていた。すぐに、スマホから爆風スランプのランナーが流れてきた。桂は、間髪入れずに電話に出た。

「もしもし」

「あっ、俺」

「ああ、孝太か」

電話の向こうの声はt三沢孝太だった。桂は、がっかりしたのを隠せなかった。

「なんだ。俺じゃ不服みたいだな」

「そんなんじゃないよ。どうした?」

桂は気を取り直して言った。

「明日の月曜日、休みだろ。急なんだけど、今日7時から合コンやってるんだ。男の人数足りないから、ちょっと顔出すだけでもいいから来てくれないかな」

電話の向こうで桂を拝んでいる 孝太の姿が、目に浮かんだ。

「悪い。俺、好きな人できたから、合コンの気分じゃない」

桂が、にやけて言った。

「嘘だろ?いつの間に?」

「昨日告白した。返事はまだ貰ってないけど、明日デートの約束した」

「昨日?そんな人いたなんて聞いてないぞ」

孝太は驚いて、すっとんきょうな声を出した。

「昨日知り合った」

「本当に?びっくりだな」

「ああ、ということだから、またな」

桂はそう言うと、勝手に電話を切った。

ちょうど同じ時間、瞳も桂に電話をかけたが、通話中だったので、また後でかけようと席に戻った。

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