路地陽平と動きだす者達

路地陽平はプールサイドで仰向けになり考えていた。

このホテルに泊まってること。

自分が19時頃にプールで泳ぐかジムで身体を鍛えるかドラックをたまにしてるのは、玉利朝日だけしか知らないはず。


でも、服を着て溺れていた。


怪しいのはドラック。

中学から知り合った玉利朝日。

同じ水泳部で毎日のように過ごしていた。


「はぁーーー」

深いため息を着いた後、立ち上がり更衣室に向かう。

備え付けのバスタオルを手に取り、濡れた服はゴミ箱に捨てた。

身体を拭き自分のロッカーから新しい服を取り出し着る。


ホテルの部屋に戻るとタブレットから音が出ていた。

「23時です。寝て下さい」

その音で今が23時なのだと気づいた。

タブレットを見て音声を切る。

俺が溺れたのは22時とかなのか?


また、考え始め寝れるわけが無いと、棚にあるウィスキーに手をかけた。

が、止めて冷蔵庫から炭酸水を出した。


また、タブレットから音が出る。

これを聴きながらベットに入って下さい。

タブレットの左側が空いていてワイヤレスイヤホンが見える。

とりあえず耳につけてベットに横になると、数分も経たずに寝息をたてた。



3人はホテルの地下駐車場、車の中にいた。

「あーあ。溺死見たかったな」

「嫌よー。あんな可愛い子が醜くなるなんてー」

「お前ら思考回路を変えろ。高級ホテルのプールで死なれたら被害は甚大。警察も出てくるだろ」

Rが、EとDを窘めた。



「早く始めてほしいぜ。ぞくぞくするような体験がしてー」

「あらあら。そんなに死人を出したいたなら、ここで出してあげますよー」

Eの首筋に注射器を刺しかけるD。

「俺は殺したいのであって、殺されたいわけじゃないんで」

ゆっくりと注射器を遠ざけた。

「2人ともじゃれるな。路地陽平が寝た。報告に行くぞ」

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