国語の授業 江頭うさぎ
路地陽平が手を挙げていた。
しかし、国語の先生は気付いているにも関わらず無視をし授業を進める。
「次は、江頭うさぎ。読め」
「路地よーへい君が手を上げてるにゃ。国語の先生は目が悪いのかにゃー」
意地悪な微笑みをしながら、江頭うさぎは言う。
そんな江頭うさぎを国語の先生は、無表情に見つめていた。
「2度は言わない」
「僕に読ませて下さい」
路地陽平が言う。
また、国語の先生から深い溜め息が出る。
「さすが、タブレットの指示を守らないだけはあるな」
路地陽平には背を向け、クラス全体を見回しながら国語の先生は言いつ、江頭うさぎに近づく。
「江頭うさぎ。3年間インスターをしてフォロワーが千人か。その千人も最近では減る傾向にあるようだが」
馬鹿にしているような言い方だった。
「にゃはは。国語の先生にインスターの苦労が分かるんですかにゃー」
江頭うさぎは、苛立ちを隠しながら笑顔を国語の先生に向けた。
「分からない。だが、1日で100万フォロワーを増やしてやろうか?」
国語の先生は、江頭うさぎの苛立ちを気にするでも無かった。
「え!」
江頭うさぎもだが、他の教室のメンバーもざわついた。
100万フォロワーはテレビで良く見るような、芸能人並の影響力のある数字だった。
「どうせ偽アカとかにゃんでしょ」
今度は、苛立ちを隠せない声をしていた。
「鮮血学園をなめるな。卒業生の数人に声をかければ済む話。ただ…」
罠にかかった獲物を見る目で、不適な笑みを浮かべる。
「ただ、にゃんだにゃー」
「餌を与えないと授業に参加できないのは、飼育された動物だな」
江頭うさぎは苛立ちを通りこし、ランニングマシーンを降りて、国語の先生を平手打ちしようとする体勢に入っていた。
平手打ちしようとする手の手首を簡単に捕まれる。
そして、江頭うさぎの足の先が地面に着くか着かないかまで持ち上げられた。
「重要な選択だ。どうする?」
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