第37話 シーシャドー奪取 - 時を超えた戦闘

場面:接舷準備直前


回天艦の艦内。荒井郁之助が艦長・甲賀源吾と共に作戦の最終確認をしている。


荒井(深く息を吸い、冷静に) 「甲鉄を奪取したとして、その後の展開を考えると、まだ不確定要素が多い。だが、今は前進するしかない」


甲賀(頷きながら) 「はい、奉行。私たちが勝てば、戦局をひっくり返せる。しかし、もし失敗すれば…」


荒井(険しい表情で) 「それを分かっていて進むのだ。我々がここで成功すれば、日本の未来が変わるかもしれない。だが、失敗すれば、全てが無駄となり、我々の名も汚される」


甲賀(少し眉をひそめて) 「我々の名、ですか?」


荒井(静かに) 「そうだ。私たちだけの問題ではない。次の世代に負けてはならない」



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場面:新選組、甲鉄への接舷直前


土方歳三が彰義隊の隊士たちに訓示をしている。


土方(厳しく) 「お前たちの役目はただひとつ。命をかけて、舵と機関を制圧することだ。敵がどう動こうとも、ひるむな。もしお前たちが迷えば、それが我々の命取りになる」


彰義隊士(少し震えながら) 「隊長、もし…もし、失敗したら…どうなるのでしょうか?」


土方(鋭い眼差しで) 「失敗したら死ぬ。だが、成功すれば、新たな歴史を作ることができる。今、我々が成功すれば、次の世代が引き継ぎ、未来を切り開くことができるんだ」


彰義隊士(目を見開いて) 「……成功すれば、未来を変える」


土方(微かに頷き) 「そうだ。そして、俺たちがこの一戦で見せるのは、ただの戦闘ではない。誇りだ、誇りを持って戦え」



場面:1985年、アメリカ・カリフォルニア州沖


新徴組のメンバーが操縦する時空転送装置を搭載した「回天艦」は、歴史的なタイムスリップを果たし、1985年のアメリカ合衆国に降り立った。艦内には、近未来の兵器と共に新徴組の精鋭たちが乗り込んでいる。その中に、中沢琴の姿もあった。


中沢琴(冷静に、だが興奮を隠せず)

「ここが…1985年のアメリカ、か」


彼女は静かに艦内を見渡す。回天艦の艦橋からは、異次元の空気が感じられる。異なる時間と場所の匂いがする中、琴の心は新たな使命に対する緊張と興奮で満ちていた。


中沢琴(振り返り、指揮官に向かって)

「艦長、目標の位置を確認しました。『シーシャドー』の位置、確実に把握しました。今すぐ接近を開始しま」


艦橋では、指揮官の荒井郁之助艦長がその言葉を受け、厳しく頷く。


荒井郁之助(鋭く)

「よし、準備は整ったか? 我々の任務はただ一つ、『シーシャドー』を奪取することだ。あの艦が持つステルス技術は、未来の戦局を左右する。失敗は許されん」


中沢琴(毅然として)

「はい、艦長。すべて準備万端です」


甲賀源吾(艦長の隣で慎重に)

「ただし、あの艦は最新鋭の実験艦だ。予想外の事態も考慮しておかねばならない」


荒井郁之助(冷徹に)

「そうだ。だが、今は躊躇する時ではない。全力で接舷し、奪取する!」



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場面:アメリカ・カリフォルニア沖、シーシャドー艦内


一方、アメリカ海軍のステルス実験艦「シーシャドー」は、最先端の技術を誇る艦であった。艦内は静まり返り、実験の準備が進められている中、乗員たちは突然の異常信号を受けて警戒態勢を取る。


艦長(警戒しながら)

「何だ、これは…? レーダーに異常が発生している。敵艦の接近か?」


通信士(焦りながら)

「艦長、通信回線に異常があります。外部からの接触が試みられています!」


艦長(冷徹に指示)

「全艦、警戒を強化。何が起こっているか分かるまで動くな。」


しかし、時すでに遅し。新徴組の回天艦がシーシャドーに接近し、その静かな海上を突き抜けるように、奇妙な艦影が浮かび上がる。回天艦は、完全にステルス状態を保持しつつ、シーシャドーの接舷を開始する。



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場面:接舷戦闘、シーシャドー艦内


回天艦が「シーシャドー」に接触すると、瞬時に接舷チームが展開される。中沢琴はその先鋒として、最新の兵装を手にして艦内に突入する準備を整えていた。彼女の顔には迷いがない。


中沢琴(銃を手にし、冷静に)

「全隊、接舷開始。任務完了まで一切の妥協はしない」


 隊士たちは彼女の指示に従い、手際よく艦内に侵入していく。突入した先には、シーシャドーの艦員たちが待ち受けていた。異次元から来た新徴組の隊士たちにとって、この戦いは時空を超えて戦うための覚悟が必要だった。


中沢琴(隊士に向かって)

「注意を払え、敵は予想以上に強いかもしれん。しかし、我々の目的はあくまで艦を制圧することだ。殺さずに迅速に動け」


 その命令が下されると同時に、隊士たちは静かに敵艦員を制圧し始める。中沢琴も先陣を切り、艦内の各所に設置されたステルス機能を無力化する装置を起動する。艦内のあらゆるセキュリティが一瞬で無力化され、シーシャドーは新徴組の手に落ちる。



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 場面:宮古湾海戦、戦局の激化


 シーシャドーを奪取した新徴組は、その後、宮古湾海戦に参戦する。ここでの戦闘は、歴史的に日本の未来を決定づける大きな転換点となる。回天艦とシーシャドーの技術を駆使し、戦局は急速に変化していった。


 荒井郁之助(艦橋で冷静に指示を出しながら)

「艦を掌握した以上、今度は戦局を変える番だ。シーシャドーのステルス能力を駆使して、敵艦隊の動きを封じ込めろ」


 中沢琴(艦内で状況を把握しながら)

「敵艦の動きを確認しました。回天艦を前衛に配置し、シーシャドーの攻撃力で後方支援を行います」


 土方歳三(彰義隊の指揮を取る)

「戦局を支配するには、我々が先手を取らねばならん。敵艦隊に突撃して、制圧しろ!」


戦闘が激しさを増す中、新徴組の艦隊はその異次元の技術と士気の高さで、海戦を有利に進めていった。


中沢琴(心の中で)

「未来の日本、そして未来の戦いを変える…すべてはこの瞬間にかかっている」


戦闘は次第に激しさを増し、回天艦とシーシャドーの技術が、未来を切り開く鍵となる。しかし、この海戦の結末がどのような結果を生むのか、それはまだ誰にも分からない。



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結末に向けて:


新徴組の活躍が歴史を変える一戦となるか、あるいは運命が逆転するのか。タイムスリップした先で、彼らの意志と技術が交錯する中、未来への道はますます複雑になっていく。



 

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