愛しさの苦しみ

第51話

「私・・・ユウジと別れること、ずっと考えてて・・・でも、怖くてずっと言えなくて・・・」

「・・・ごめん。アカリ、彼氏のこと怖いって言ってたのにな・・・そんなだとは思ってなくて・・・」

「・・・私も・・・簡単には別れてくれないって覚悟はしてたけど、まさかこんなまで・・・。

・・・しゅんくんに・・・嫌われちゃうと思った・・・こんな私じゃ、ひかれちゃうって・・・」

胸がいっぱいで、涙が溢れた。

「バカだなぁ。そんな心配すんなよ」

しゅんくんの、いつもの優しい声につられて顔を上げてみる。

「や～っと、目、合わせてくれた。」

包み込むような、やわらかい笑顔。

この穏やかな笑顔に、どれだけ救われてきただろう。

「俺は変わらないよ。」

「え？」

「言ったでしょ。何があっても、俺の気持ちは変わらないって。」

「でも・・・」

「待ってたんだよ？アカリのこと。やっと２番手終了！・・・だよね？」

（２番手・・・そうだね、しゅんくん、２番手でいいって言ってたね）

・・・でも・・・

「・・・２番手なんて、一度も思ったことないよ。」

「えっ？本当？」

「ん・・・」

私は微笑んでうなずいた。

私の笑顔にそっと触れ、嬉しそうに顔をゆるめたしゅんくんに、

（もう一つ、教えてあげるね）

「・・・ずっと、好きでした。」

「えぇっ！？」

「ごめんね、ずっと言えなくて・・・。ちゃんと別れてから、って思ってたから・・・」

「・・・マジで・・・すっげぇ嬉しい・・・」

照れながらも、めいっぱい喜んでるしゅんくんの笑顔を見ながら、願った。

これから先も、ずーっとずーっとこの人のそばで笑顔を見ていたい・・・