第46話
断り続けたのに、しゅんくんは、家に来た。
「メールで終わりなんてナシだよ?ちゃんと会って、話させてよ。」
そう言うとしゅんくんは、強引なくらいに私の部屋へ入ってきて。
(会ってしまったら・・・突き放す言葉が言えなくなるから。
だから、メールにしたのに・・・)
私の頬と首についた、爪の跡・・・
押さえ付けられてた両腕の、内出血・・・
私の体中に、ユウジの証拠が残されてるような気がして、
見られたくない。
知られたくない。
私はしゅんくんに背を向けた。
そんな私を後ろからそっと抱きしめて、しゅんくんは・・・
「アカリ、大好きだよ」って。
嬉しいのに、切なくて胸が痛い。
しゅんくんへの後ろめたさがこみ上げてきて、私は・・・抱きしめられてる腕をほどいた。
「・・・アカリ・・・」
悲しそうなしゅんくんの声に、涙が出そうだった。
(・・・ごめんね、でも・・・ダメ・・・)
泣き出しそうな心を隠して私は・・・
「来ないでって言ったじゃない。忘れて、って・・・」
「俺は会いたかった。アカリが会いたくないって言っても、俺は・・・」
「・・・迷惑だよ、そんなの・・・」
「迷惑でもっ!俺はアカリのそばにいたいんだよ!」
離れようとしてる私に、しゅんくんは、くる。
「なぁ、俺、そんなに頼りにならないか?頼ってくれってあんなに言ってたのに・・・。なんでだよ?俺じゃ、アカリを助けてやることはできないのかよ」
「え?」
(何のこと・・・?)
びっくりしてしゅんくんのほうを向いた私に、
「ユミちゃんに聞いた。彼氏の事・・・ユミちゃんが電話くれて、聞いた」
(えっっ・・・!?)
「ごめんっ!俺のせいだ。俺が来てたから・・・」
「ちがう・・・」
(私がしゅんくんと会いたかったんだもん・・・)
「アカリに彼氏いるの、わかってたのに・・・横入りしたんだ、俺が・・・」
「・・・しゅんくんは関係ない」
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