愛しい人

アカリの携帯は、どんなにかけても出なかった。

・・・呼んでるのに・・・

それなら、メールなら・・・

［明日、会いに行くね。］

・・・返信は、ない・・・

［明日、会おう。それとも今から会いに行こうか？］

アカリが必要としてくれるのなら、今すぐ飛んで行って、そばにいてあげたかった。

［アカリに会いたいよ。今から行ってもいい？］

離れているこの間も、一人で悲しんでるアカリを思うと、夢中でメールを送り続けた。

（頼むっ！返事くれ・・・）

何度も何度もメールを送り続けて、やっときた返信は、今まで見た事がないくらい冷たいアカリで。

［電話もメールも、もうしないで。アドレスから削除してください。」

（・・・ユミちゃんの言ったとおり・・・）

（アカリはもう、俺と会わないつもりかもしれない・・・）

それなら・・・

［家、出たよ。たった３時間。待ってろ！］

強引なメールだけ送って、車を発進させた。

こんな大事な時に。

アカリが一番つらい時に。

離れてるのが、耐えられなかったんだ。

[来ないで。忘れて。家も私も。]

途中で、こんなメールを受け取ったけど、それでもとにかく、アカリの所へ行こうと思った。

（会ってくれるまで、絶対帰らないからな！）

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