第47話
「関係あるよ!彼氏が怒ったのは俺の存在だろ!?」
(しゅんくんは、自分のせいだと思ってる・・・私がこうなったのは、自分がいたからだと・・・)
違うんだよ?
ユウジと別れるのには、何もなく別れることなんて、どうせできなかった。
「しゅんくんが、いてもいなくても関係ないよ・・・。気持ちがないのに、ズルズル続けてた私が・・・もっと早く別れればよかったのに・・・」
しゅんくんのすごいところ。
いつの間にか胸の内を話し出させてしまう。
「アカリ、別れること考えてたんだって?」
「うん・・・。でも・・・別れ話したら、こうなる気がしてて・・・覚悟がつかなくて、踏み切れなかった、ずっと・・・」
「・・・わかって、たの・・・?」
「・・・ここまでは考えてなかったけど、なんとなく・・・好きが、ゆがんでたから・・・どんな事してでも、繋ぎ止めるんじゃないか、って・・・」
「わかってて、なんで一人で行ったんだよっっ!俺、頼れって言ってただろっっ!?」
怒ってるしゅんくんを、初めて見た。
「・・・だって・・・クリスマス、ユウジと約束してたけど・・・でも本当は、しゅんくんといたくて・・・彼女の顔してユウジといるの、もうずっと嫌・・・」
言い終わらないうちに、グッとしゅんくんに抱き寄せられた。
「アカリっ・・・」
・・・抱きしめられてしまったら・・・
しゅんくんの優しさに甘えてしまいそうで、私は再び、腕をほどこうとした。
「逃げんな!!」
ほどけないくらい、ぎゅう~、っと抱きしめられる。
(ダメだよぅぅ。このまましゅんくんの腕の中にいたくなっちゃうから・・・)
私の貧弱な抵抗に構わず、しゅんくんはずっと私を抱きしめ続けて。
伝わってくる体温と。
同じテンポで動く鼓動と呼吸が。
私の痛みも不安も消していってくれる・・・
大好きな人の、優しい腕の中は・・・どこよりも安心する、幸せな場所。
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