親友

第32話

しゅんくんと電話を切った後、私はユミに電話をかけた。







「もしもし、ユミ?」







「アカリ?どうしたの?」







「ごめんね、心配かけて・・・」







「え?なに?」







「ユウジの事・・・全然ユミのせいじゃないよ。ごめんね。

しゅんくんに聞いちゃった。」







「あ~!しゅんくん、しゃべったな~。あっ、じゃ、もしかして気持ちも?」







「・・・うん・・・」







「そっか、やっぱ言ったんだ。しゅんくん、迷ってたんだよ?

アカリ彼氏いるから、言わないほうがいいかなって・・・」







「・・・そうなんだ・・・」







「でも、ゲレンデで体調悪くなったアカリ見て・・・しゅんくんに頼まれたんだよ?もし何かあったら教えて、って。アカリ守りたいから、って。」







「・・・二人がそんな話してたなんて、全然知らなかった・・・」







「最初から、アカリの事は言われてて・・・。何度も電話して、私もいっぱい愚痴聞いてもらったりしてさ。いい人だよな~、とは思ってたんだけど。」







「それでスノボ、私に・・・?」







「ううん。最初は本当に、運転の練習したくて。だから、日帰りのつもりだったの。でも、アカリからユウジの異常さを聞いて・・・。やっぱり、しゅんくんと会わせてみようって思ったの。絶対、頼れる人だと思ったから。」







「そんな、信用してたの?最初から・・・」







「だんだんと、ね。

・・・私、ひねくれてるんだよね・・・。

しゅんくんがいい人なのわかっても、家遠いのが、どーしても許せなくて・・・」







「彼氏とかぶちゃったとか?」







「そう。私、遠距離悩んでるピークで、

『今、それどころじゃないっ!』って遠距離の不満とか、ガーっと電話で愚痴ったの。私の中で、遠距離イコール可哀想、ダメになる、っていうのが勝手にあってさ・・・」







「・・・そうだよね・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る