第24話
「私も怒鳴っちゃったけど・・・しゅんくん、何も知らないんだもんね。ねぇ、アカリ。アカリが倒れたのは自分のせいだと思って心配してるし・・・少し、言ってもいい?」
遠慮がちに聞いてきたユミに私はうなずいた。
昨日今日と一緒にいて・・・
しゅんくんの人柄がわかったから。
ユミがついつい悩み相談しちゃったのも、泣いちゃったのも。
今ならわかる。
私だって同じ。
優しくて、明るくて、頼りになるしゅんくんになら・・・
言っても大丈夫な気がする。
ちゃんと、聞いてくれる気がする。
ユミは、しゅんくんにユウジのことを話した。
異常と思えるほどの、ユウジの言動。
怖いくらいの執着心。
それを離してあげたくて、今回、強引に連れ出してきたこと。
ユミは早口でしゅんくんに説明すると、真剣な目で私を見て言った。
「アカリ。私、アカリが大好きだよ。優しくて、穏やかで・・・アカリがそうやって、ふんわりと受け止めてくれるから、私みたいな激しいヤツでもずっと仲良くしてこられたんだよね。すごい感謝してるし、私、そういうアカリが大好きだよ。だから・・・本当に、アカリに幸せでいて欲しいの。」
ユミの瞳が潤んでるように見えた。
「・・・ユミ・・・」
「ユウジのいいようにばかりじゃなくてさ、アカリの幸せ考えなよ。彼氏なんだから、我慢しないで自分の気持ち、出していいんだよ?」
「・・・うん・・・」
「ユウジがアカリすごい好きなの知ってるから、今まで黙ってたけど。やりたい事あったら『やりたい』って、行きたいトコあったら、『今日は会えない』って言うべきだよ。」
ずっと黙って聞いていたしゅんくんが口を開いた。
「アカリ、俺もそう思う。俺はアカリと彼氏の事、よく知らないけど・・・でも、思い出して倒れるのは、おかしいと思うよ」
「・・・そうだよね・・・」
(戻ったら・・・少しでも、ユウジに自分の気持ち、話してみよう・・・)
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