愛しさの苦しみ

第23話

「ユミちゃんに電話したから。もうすぐ来ると・・・」

言い終わらないうちに、ユミが飛び込んで来た。

「アカリっっ・・・！！」

悲鳴のような声を上げて、ユミが私に抱きつく。

「ユミ・・・」

「もうっ・・・倒れたって聞いて私・・・よかったぁぁ・・・アカリ～～っっ・・・」

大騒ぎしてるユミにしゅんくんが、申し訳なさそうに言う。

「ごめん。俺がイヤなこと言ったからかも知れない・・・」

謝るしゅんくんに、ユミが食ってかかる。

「何言ったのっ！？しゅんくん、アカリに何言ったのよっ？」

「あ、ユミ、ちがう・・・」

私は、怒ってるユミの手を引っ張った。

「全然、しゅんくんじゃないの。そうじゃなくて・・・」

言いにくくて言葉に詰まる私に代わって、しゅんくんがユミに言った。

「彼氏の話してたんだ。俺とスノボしてて、彼氏大丈夫なの？って、ヤキモチやかない？って聞いてた。」

しゅんくんの言葉に、ユミがぶち切れた。

「はぁぁっっ！？なんでよっ！？なんでっ・・・そんなこと聞いちゃったのようっっ！！」

感情の激しいユミに、私は慌ててしまう。

「あっ、ねぇっ、ユミ・・・！本当にしゅんくんは関係ないから・・・私が・・・ユウジ思い出して、怖くなって・・・」

「えぇっ！？アカリ、それで倒れたの・・・？」

びっくりしてるユミの横で、しゅんくんが私を見て言った。

「・・・ごめん。俺が変なこと聞かなければ・・・」

「ううん、ホント違うの。ごめんね・・・全然しゅんくんのせいじゃない。」

「でも・・・」

ずっと申し訳なさそうなままのしゅんくんを見て、ユミが口を挟む。