第21話

「あれ?あいつら、まだ戻って来てない?」







いつの間にか、しゅんくんが立っていた。







「うん、まだ・・・」







「昼にしよう、って下りてきたんだけど・・・」


そう言いながら、しゅんくんは、私の隣に座った。







「ここ、寒くない?中入る?」







「ううん、大丈夫。なか、暖房強くて・・・ここでボーっとしてるの、気持ちいいの。」








「あ、わかるなー。広くて真っ白いゲレンデ見てるのって、気持ちいいよな。」







「うんうん。」







「誰もいないゲレンデも、すごくいいんだよ?ナイターも終わって、暗いんだけど、すっごい静かで。俺は好き。」








「そうなんだ~。地元だから、そういうのも見られるんだね」







「そうだね。この辺は、海も山も近いから。冬はスキーばっかしてるし、夏はサーフィンばっか。」







「しゅんくん、サーフィンもやるんだ?すごいね」







「あはは、田舎だからさ、自然の遊びしかないから。スキーとスノボ、サーフィンで一年まわってる」







「あ~、そうだ~、サーフィンって、けっこう寒い時期でも入ってるよね」







「あれ?アカリもサーフィンやるの?」







「ううん、やらないんだけど、私、海見るの好きで・・・」







「おぉ~!同じだ~!俺も海見るの好きで、一人でボ~っと眺めてたりするよ。」







「同じだね!悩んでる時とか、海見るとすっきりする・・・」







「マジでー!?

もしかして、シーズンオフの海のほうが好きだったりする?」







「そうー!あと、早朝とか。静かで落ち着くの。」






「うわ・・・同じだ~!すげぇ嬉しいんだけど!」







しゅんくんと私。


感性が似てて驚いた。


しゅんくんの言う『好き』が、私もよくわかる。


分かってもらえるから、もっと言いたくなるし、話してて楽しい。

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