第20話

しゅんくんとそのお友達は、さすが地元!!






やっぱりすごく上手で、ユミと私に教えてくれたんだけど・・・。






どんどん吸収するユミと違って、私は。







1時間で疲れちゃったし・・・






まだまだ滑ってるみんなと別れて、






(一人で休んでてもいいかなぁ・・・?)







そう思ってたんだけど、なかなか言い出せなくて。







実は、昨日おとといと、あまり眠れてないんだ、私。







ユウジに隠して、ここに来ていること。







開放された気分の裏で、バレたらどうしよう?って思いが消えなくて。






ユミは、『大丈夫だよ。ぜったいバレない』って励ましてくれるけど。






そうだよね、何も教えずに来たんだもん・・・って思うんだけど。






やっぱり夜になると、1人でいろいろ考えて、眠れなくなる。







睡眠不足も重なって、疲労がピークになっていた。







ユミが、「アカリ、大丈夫?」って声をかけてくれたから。







滑りに行こうと、リフトへ向かう三人に言ってみた。








「私、ちょっと休憩。ここにいるね。」







「了解!」

「OK~」

「行ってくるねー」






三人それぞれ、軽い返事を残し、あっさりと私を置いていってくれた。






ユウジだったら・・・こんなふうに、私を一人にしてくれないだろう。






誰にも気にされない事が、ラクに思えた。






(今日、私・・・自由だ・・・)






トイレに行って、日焼け止めを塗り直して、お土産をプラプラ見てまわった。






30分くらい過ぎたかな。






室内の暖房が強くて、つらくなったから、今度は外へ出てみる。








外のベンチに座って、真っ白いゲレンデを眺めながら、思いっきり伸びをした。







「んーっ!気持ちいーっ!!」







思ったより大きい声が出てしまって、横にいた男の子が吹き出してた。






「アハハッ、よかったっすね!」






「あ、はい・・・フフフ。」






もしここにユウジがいたら、すごい目で彼をにらみつけたかも知れない。


ユウジ以外の男の人としゃべるなんて、絶対許されないのだから・・・

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