第12話
ユミには、もう隠しておけないね。
ユミと私の間に、知らないことがあるなんて、できないから。
ずっと抱えてた困惑を・・・やっと、ユミに打ち明けた。
「・・・いつからかな・・・なんか、ユウジと会うのが義務みたいになってて・・・。遊びやバイトより、とにかく毎日、
『早くユウジんトコ行かなきゃ!』って思ってて・・・」
「ねぇ。アカリは、ユウジ好き?」
「え・・・」
「ちゃんと好きなの?」
真っ直ぐなユミの目に見つめられて、即答はできなかった。
・・・ユウジに、『好きか?』って聞かれたら、『好き』って答えてるよ?
でもそれは。
ユウジの求めてる『好き』じゃないと思う。
それでもユウジは満足そうに、機嫌がよくなるから。
ユウジとモメないように、いつでも私は『好き』と答えることにしてる。
でも、ユミには・・・
真っ直ぐ私を見つめる、大親友のユミには・・・嘘はつけないから。
「・・・わかんない・・・」
素直な気持ちを答えた。
「わかんない、って・・・なによ、それ?」
ユミは怪訝な顔をするけど。
「本当にわかんないの。だって、好きしか・・・答え、あり得ないもん。別れるとかも・・・絶対あり得ない。」
「なんなの?好きなら付き合うし、好きじゃないなら別れればいいじゃない。」
「・・・」
固まってる私にきっと、ユミは違和感を覚えたのだろう。
「変だよ、そんなの。アカリ、幸せそうに見えないし、好きなようにも思えない。それなのに・・・続けてる意味、ある?」
(わかってる)
(ユミの言うこと、よくわかってるよ)
だけど、でも・・・
「・・・言えないの、そういうの・・・」
「なんで?ユウジに、言いたいこと言えないの?」
私はうなずく。
「・・・言っちゃいけない感じがして・・・ユウジのいいようにしてないとダメって、ずっと・・・」
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