束縛屋

第11話

「でも・・・ユウジが・・・」







そうなんだ。

私には、超がつくほど束縛屋な彼氏がいる・・・






断ろうとした私にユミは、






「ねぇ、アカリ。前から聞きたかったんだけど・・・アカリは、ユウジといて幸せなの?」








「え・・・?」







「アカリ優しいから・・・行くな!って言われたら行かないでしょ?モメないように、いつも自分が我慢するもんね?でもそれって・・・幸せな付き合いなのかな。」







(優しいんじゃないよ・・・)

(情けないだけ・・・)







ユウジは私が思い通りにならないと機嫌が悪くなる。


ユウジの機嫌を損ねるのが怖くて、私は自分を出す事より、ユウジに合わせる方を選んでしまう。


絶対離してくれなそうな威圧感があって、言いたいことさえ言えないんだ・・・








幸せか?と聞かれて、答えない私に、ユミが続ける。







「ごめんね、アカリ。私、嫌なこと言ってるかも知れないけど・・・でも、大学の四年間、ユウジと毎日会う事がアカリにとって幸せなの?何にも・・・遊びも、バイトも、習い事だって・・・自分の意思で、何にもできないじゃん。」








「・・・うん・・・」







「アカリが幸せなら、もちろんそれでいいんだけど・・・」







(ユミ、気づいてたんだね・・・)


私がユウジと幸せじゃないこと・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る