第7話
そのユミが、さっきからケーキばかりつついてる。
「ねぇ、ユミ・・・どうかした?」
心配そうにユミの顔を見つめる私に、
「ん?うん・・・ちょっと、さ・・・」
おかしい。
絶対、変。
私の前でユミは、こんな風に答えを濁さない。
つらい時は、私を見た瞬間、抱きついて、わーっと泣くし。
悩んでる時も、怒ってる時も、思ってるままをスコーンとぶつけてくるんだ。
はっきりし過ぎ、って、キツイって、嫌がる人もいるけど。
私だって、(そんなに言わなくても・・・)って感じる時もあるけど。
ユミはいつだって、私のためを思ってくれてるのがわかるから。
悪いことは悪いって、ちゃんと注意してくれるし。
なかなか『NO』が言えない私に代わって、『アカリが嫌がってるでしょ』ってかばってくれたり。
親友というより・・・お姉さん?
そんなユミに、私がしてあげられることなんて、なさそうなんだけど。
それでもユミは、
『アカリがいてくれてよかった。』って。
『すっごい大切な親友なんだ』って言ってくれる。
いつも振り回してごめんねってユミは言うけど。
違うよ?
振り回してるんじゃなくて、引っ張ってってくれてるんだ。
スノボだって・・・ユミに誘われなかったら、私はきっと始めてなかった。
車の練習だって・・・ユミと一緒なら、ドライブみたいで楽しいんだよ?
私だって。
ユミが大好きなんだ。
「ねぇ、ユミ・・・何でも言って・・・?」
いつもと違うユミに、不安になってくる。
ユミは、やっと私の目を見て、
「アカリに悪くて・・・いつも、つき合わせてばかりでさ・・・」
って言う。
なんのことかわからなかったけど、私は首をふった。
「そんなことないよ?そんなこと、思ってない。」
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