第6話
私とユミは、高校の頃からの大親友で。
付属高校上がりの私たちは、学部は違うけど、同じ大学へ通ってる。
それでも、取ってる授業が全然違うせいか、ばったり会うなんてことは、ほとんどなく。
ユミも彼氏がいるから、予定があることも多いし。
私だって・・・彼氏に縛られて、自由がきかないし・・・
スノボで車をぶつけた次の日に、ユミへ心配メールをしたけど。
『大丈夫だよ。ありがとね。』って、明るい返信がきたから。
(よかった。無事に終わったんだね)なんて、安心して。
事故のことはそのまま忘れ始めていたんだけど。
冬休みが終わりに近づいた頃、ユミから
『会わない?』ってメールをもらったから。
『うん、じゃぁ、うちにおいでよ』って誘った。
うちは、お母さんが自宅でフラワーアレンジメントの教室をやっていて。
常に人の出入りがあるから、ガチャガチャせわしないんだけど。
でも、その分、誰が来ても『どうぞどうぞ』って環境だから。
私の友達も、彼氏も、けっこう誰でも気軽にうちへ来る。
一人っ子の割には・・・
放任というか、開放的というか・・・。
両親から、うるさいこと言われたなんて、ないかも知れない。
お昼過ぎに私の部屋へやってきたユミは。
「あ、これ。一緒に食べようと思って。」
ケーキ屋さんの箱を差し出した。
ユミが、ちょっと元気ないような気がしたんだけど。
スイーツ大好きな私に、
「アカリには、二個あるよ」って笑ったから。
(なんだ、大丈夫そうかな、ユミ・・・)
って、そう思ったのに。
一緒にケーキを食べてても、ユミとの会話が弾まない。
私はもともとそんなにおしゃべり上手じゃないから。
いつもなら。
おしゃべりなユミがペラペラしゃべるのを、うんうんって聞いてる感じで。
彼氏のことも、勉強や家のこと、いいことも悪いことも・・・
『アカリになら』って、何でも話してくれるユミで。
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