第11話
ジムの駐車場に止めてあったこうすけの車に、私は少し違和感を覚えたんだけど・・・
免許ナシの私でもわかる、年に釣り合わないような高級車だったから。
(・・・でも、まぁ・・・)
車にだけ、すっごいお金かける人もいるしね。
こうすけ、車が好きだって言ってたし。
そのくらいにしか、考えてなかった。
激しく雨が打ちつけてる景色を、今日はこうすけの車の中から眺めてる。
こうすけと、たくさん話をしながら。
「子供のお迎えってどこ?このまま行こうか?」
「あ、マンションの一階に保育園が入ってるから。」
「へぇ~。それは便利だね。」
「うん、それでマンション決めたの。」
「そうだよね。子供のことが最優先だ。」
「うん・・・」
・・・その通り。
私は子供が一番大切なんだ。
だから・・・
こうすけに、ドキドキしてちゃダメだよね・・・
好きになんて、なっちゃダメなんだよね・・・
気持ちを隠すように、目をそらした私にこうすけが言った。
「あのさ。・・・子供と一緒なら、いい?」
「え?」
「外で会うの」
「えっ・・・?」
(子供と一緒でもいいの?)
「俺とじゃ、嫌がるかなぁ?」
「・・・ううん、そんなことない・・・」
「じゃ、いつか一緒に行こうよ?
ご飯でも、遊びでも。
子供が嫌じゃない時に、喜ぶとこ。」
「・・・うん・・・」
こうすけの気持ちは嬉しかったけど。
(でも、いつかなんて・・・本当にくるのかな・・・)
裏切られるのが怖いから。
傷つきたくないから。
最初から、期待なんて・・・しないほうがいいんだ・・・
そんなことを考えてた私に、こうすけは意外な事を言った。
「俺さ~、実はホッとしたんだよね。さやかに、子供いて。」
照れたように、こうすけは少し笑った。
「えっ、なんで??」
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