第7話
それで、気づいてしまった。
何の取りえもない私だけど、なんとなく・・・って勘だけはいい。
こうすけを見て・・・すごくすごく、深い寂しさを感じ取ってしまったの。
痛々しいくらいの、寂しさ。
しっかりしてて、いつも穏やかな顔してるこうすけだけど・・・
心の奥底に、抱えきれないくらいの『何か』を持っている気がする・・・。
「こうすけ・・・何か・・・あるの?」
「なんで?」
一瞬も考えず、すぐ返されたから、私の勘もハズレかな・・・?と思った。
「あ、ごめん、何でもないの。」
刺さるくらいの、真っ直ぐな眼差しに、少しひるんで謝った。
こうすけは・・・
そんな私をしばらく見つめてて。
それから、寂しい目をして、フッと視線を外した。
その寂しい目に・・・やっぱり私の勘は間違ってない。
簡単には言えないくらいの・・・寂しさが、こうすけにある・・・。
そう思った私は、携帯を取り出した。
「仕事中はOFFにしてるけど・・・」
「えっ?いいの!?」
パッと明るくなったこうすけの顔を見て、私も嬉しくなった。
やっぱり、こうすけには笑ってて欲しいと思う。
私に何ができるかわからないけど・・・
こうすけの寂しさを、少しでも助けてあげたいと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます