第30話

美咲との別れに現実味が増してから・・・俺は別人のようになった。







今まで行かなかった飲み会に顔を出し、軽そうな女に酒を飲ませまくる。







顔なんてどうでもいいんだ。







ヤらせてくれれば。







美咲への復讐心なのか・・・


それとも、寂しさからなのか・・・







わからない。







でもとにかく、女の子を抱きたかった。







今夜も、どこの誰だか覚えてもいない女を連れて、幹事のまさとに声をかけた。







「じゃ、お先~」







歩けないくらい寄った女を連れてる俺に、







「ひで~な~。ベロベロじゃん」







まさとがささやいた。







「ま~な。」




鼻で笑う俺に、




「ったくお前、何でも食う・・・」







あきれてまさとが言う。







「バーカ。女なんか・・・顔見なけりゃ誰だって一緒だよ」







「うわっ、ひでぇ~。

顔も見ないでヤんのかよ!?」







「あれは無理だろ~?

見たらできるかよ!?」







まさとを軽く肘でつついて、







「じゃーな!」







何も聞こえてない女の肩を抱いて店を出た。







・・・そうだよ・・・女なんて・・・







誰だって同じ。







・・・女になんて・・・マジになっちまったら、痛い目にあうんだ・・・







今夜も。

名前も覚えてない女を、顔も見ずに抱いた・・・

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