第28話

拓の気持ちが・・・今ハッキリとわかった気がした。







地元に戻らなかったのも。

あんなにカメラに夢中になったのも。







もう気持ちがなかったからなんだ・・・







もっと前から・・・地元に戻る気なんて、なくなってたのかも知れない・・・






私、バカだね・・・拓の言葉、鵜呑みにして・・・







拓は都会で一人暮らしだもん。

楽しいに決まってるよね・・・

田舎者の彼女なんか・・・いらないに決まってる・・・







溢れ出しそうな涙をこらえて、







「ごめんね、拓・・・」





やっとでそれだけ言って、逃げるように帰ってきた。







拓は・・・

最後まで何も言わなかった。

引き留めてもくれなかった。







終わっても平気なんだね・・・







これで本当に・・・終わりなんだね・・・?

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