第27話
いつも・・・
私はここで、拓を想ってたくさん泣いてた。
会いたくて、つらくて、それでもやっぱりたまらずに愛しくて・・・
(・・・拓・・・)
(・・・たく・・・)
拓を想いなから、
拓のぬくもりを思い出しながら、
寂しい夜をしのいできたんだ。
拓は、ここでたくさん愛してくれた。
優しく、大切なモノを扱うように。
そして強く、気持ちを爆発させるように・・・
全力で抱きしめてくれたのに・・・
拓でいっぱいのこの部屋で、拓とは違う腕の中にいる自分を許せない。
私の体は、拓だけのものだったはずなのに。
いつまでもずっと、そうありたかったのに・・・。
昨日の、冷たい拓を思い出す。
拓はきっと、私に失望してる。
拓の頑張りを、喜んであげられない私。
約束を破ったと、拓を責めた私。
・・・じゃぁ、私は・・・?
私こそ、拓を裏切ったじゃない・・・
私こそ、拓への最低な裏切り・・・
自分で自分が許せなかった。
私はきたない・・・
もう、拓の腕には戻れない・・・
別れを決意して、私は拓に会いに行った。
アパートでのケンカから3日目。
連絡もしないで突然来た私に、拓は少しびっくりしたけど、冷たい態度はあの日のままだった。
私も冷たく言い放つ。
「別れて。私、浮気しちゃったし。」
顔も見ずに、それだけ言った。
顔を見たら、つらくなるから・・・
泣き出してしまいそうだったから・・・
別れ話を切り出しても、拓は何も言わなかった。
浮気についても、何も聞かない。
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