第20話
そういえば、美咲も気にしてたなぁ。
理香の存在を、妙に不安がってたけど。
あるわけねぇじゃん、そんなこと・・・ほんっと、くだらねぇ・・・。
そう言っといたけど、美咲は腑に落ちないようだったな。
あの時・・・
『俺には美咲だけだ』って言葉も、付け加えといたほうがよかったかなぁ・・・
まぁ、美咲なら。
大丈夫だろ。
そんな事で凹むようなヤツじゃないし。
お互いの気持ちはちゃんとわかってるんだから、大丈夫、大丈夫。
俺達なら、何があっても壊れる事はない。
俺は大学四年間でしっかり成長して・・・地元へ戻って、そしたら・・・美咲といつも一緒にいられる。
それまでは・・・
頑張れ!俺!!
頑張ろうなっ!美咲!!
美咲と会えない寂しさを忘れたくて、俺は毎日毎日サークルに通った。
ここに来れば、必ず誰かいて、あっと言う間に時間が過ぎる。
アパートで一人、時間を持て余してるより・・・サークルの仲間といるほうが、ずっとずっと居心地が良かった。
みんな、いい奴らなんだ。
卒業してもまだ、遊びに来る人もいる。
ここの卒業生だから、もちろん俺らの先輩なわけで。
カメラや写真のこと、講義や就職のことまで・・・いろいろ教えてもらえて、ありがたい存在。
俺は地方出身で、もともと知り合いも少ないから・・・サークルの卒業生は、貴重な先輩だ。
そんな卒業生の一人から、バイトの話をもらったのは・・・大学2年の時。
カメラマンになった人で、
俺にアシスタントを、って・・・
アシスタントと言っても、下っ端の、下っ端の・・・つまり、雑用係ってことなんだけど。
それでも、
(マジか~っっ!?)
カメラマンの近くにいられるのか!?
俺が、毎日毎日サークルに顔を出してるから・・・
熱心なヤツに見えたんだろうか?
そうでもなきゃ、考えられないようなすげぇ話。
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