第19話

そう思ってた頃、大学の仲間に誘われた。







けっこう本格的にやってる、写真のサークル。







卒業生の中には、実際にカメラマンになった人もいて俺は興味を惹かれた。







カメラ、けっこう好きだったんだよね。







今まで学ぶ機会がなかったけど・・・うん、いいかもしれない。







軽い気持ちで、俺は友達の誘いにのった。







・・・これが想像以上で・・・







(すっげぇ、おもしれぇ・・・)







他が目に入らないくらい、のめり込んでいった。







サークルには、同じように夢中になってる仲間がたくさんいて、話も弾む。







(なんだ。大学生って楽しいじゃん)







美咲と離れて凹んでばかりいたのが嘘のように、俺の毎日は明るくなった。







学校とバイト以外は、サークルの仲間とつるんでる。







同じ目的の者同士は、やっぱり楽しくて気が合うもんだよな。







誰かが『写真撮りに行こう』って言えば、すぐにメンバーが揃う。







同じ場所で一緒に撮ってても・・・みんな違う写真になるんだよなぁ~。







一緒に撮りに行って、それを見せ合いながら語るのが、また最高に楽しいんだ。







サークルのメンバーの中でも、特に仲良くなったヤツがいて。







『ヤツ』と言っても、まぁ、女の子なんだけど。







これが、ちょっと変わってる子でさ。







いわゆる『美人』って顔してんのに、カメラの事となると人が変わる。







なりふり構わず夢中でシャッターを切る姿には、尊敬さえ覚える。







知識も豊富だしな。

一緒にいると勉強になるし、あいつから、もっともっと吸収したいと思う。







お互い夢中になり過ぎて・・・夜中まで語ってたこともあったっけ。







それくらい、いつまでも話していたい相手なんだ、理香は。







普段は、いかにも『女の子~』って感じの、かわいらしいヤツなんだけどね。







まぁ・・・狙ってるヤツも多いらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る