第16話

美咲がいとし過ぎて。







自分のモノにしたくて、早く早くと・・・







俺は焦ってたのかも知れない。







「拓に、いつでも来てって言ったの、本当にそう思ってるし。

でも、こんなすぐとは思わなかったから・・・びっくりしてる、って言うか」







「・・・だよな・・・。

まさか一週間で耐えられなくなるとはね・・・自分でもびっくりだよ。」







「そうだよ?このペースじゃ、お金続かない」







「あはは。

美咲に絶対怒られると思ってた。

バカだ!って、パンチが飛んでくるかと・・・」







「・・・パンチするよ?

もし・・・今日帰っちゃったら・・・」







「えっ!?・・・いいの・・・?」







まだ慣れない美咲のアパートで、



一緒にご飯を作って、



別々に風呂に入って、



それから一緒にベットで横になった。







ベッドの中で、手をつないだだけであいつは緊張してたから・・・俺はもうこれで充分だと思った。







ずっと・・・







冗談でしか触れなかった美咲が、俺の横にいる。







手をつないで、一緒に眠れる。







それだけでもう、充分だよ。







「おやすみ。」








横にいる美咲の頭を撫でてから、俺は体の向きを変え、目を閉じた。

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