第17話
「・・・拓・・・」
・・・ツンツン・・・と、美咲が俺の服を引っ張ってる。
「ん?」
「・・・私のせい・・・?」
「え?」
「・・・私がビビってるから・・・」
俺はもう一度、しっかり美咲のほうに向き直って言った。
「何言ってんだよ。
そんなんじゃない。
焦ってた俺のほうが・・・反省してるよ・・・」
「でも・・・」
「俺はこうやって・・・手つないで一緒に眠れて、嬉しいよ?」
(本当にいいんだ。そんなのゆっくりで・・・)
それでも美咲はくっついてきた。
くっついた体が、小さく震えてる。
(・・・バカだな・・・。無理する事なんかないのに・・・)
「美咲・・・いいんだって、本当に俺・・・」
「・・・ううん・・・拓がいいの。
大好きだから・・・
拓なら、大丈夫だから・・・」
(・・・かわいい事言いやがって・・・)
思わずグッと抱き寄せた。
ゆっくり、ゆっくり。
美咲の震えが止まるまで、いつまでも抱きしめたまま。
俺の腕の中で、少しづつ美咲の震えが治まっていく。
「・・・あったかいね、拓・・・」
想像よりもはるかに華奢な美咲の体も、びっくりするくらい、甘く柔らかい肌も。
初めて触れたこの時を、俺はずっと忘れないだろう。
体から心の中へ・・・
美咲が、俺の全身に染みこんでいく気がした。
愛しくて愛しくて・・・
俺は、もう・・・
美咲しか愛せないよ・・・
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