第14話

(うわっ・・・急に・・・)







動揺してる俺に美咲は、ちょっと甘えた声で言う。







「ねぇ、拓・・・大好き・・・」







「えっ、あ、うん、俺も・・・」







パンチが飛んでくると思ってたから・・・







予想外の美咲に動揺しまくりの俺。







「本当は・・・寂しかったんだ・・・」







今にも泣き出してしまいそうな、美咲の不安な顔。







「・・・毎日一緒にいたのに・・・拓・・・やっぱ遠いよぉ・・・」







・・・こんな事言う奴じゃなかったのに。







美咲は、会えない事なんか、へっちゃらだろうと思ってたのに。







俺のほうがもう会いに来ちゃって、情けない、と思ってたのに・・・。







美咲の寂しさは、俺以上だ・・・







「・・・私・・・早く卒業したい・・・。

そしたら私、拓の近くに就職する。」







大学四年間が、始まったばかりなんだぞ・・・?







こんな弱々しい美咲で・・・大丈夫なのか?







・・・ダメだ・・・。

俺がしっかりしなきゃ、ダメだ!







美咲の分も・・・俺が強くならないと。







弱々しい美咲を、守りたいと思った。

守ってやれるくらい強くなりたい・・・







「俺、卒業したら地元に戻るから。美咲も戻って来いよ?

そしたら・・・高校の頃みたいに、毎日一緒にいよう。

だから・・・四年、頑張ろうよ。な?」







「・・・うん・・・」







俺に寄りかかったままの、頼りない返事。

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