第7話 これでいいなんて
今日も、
「シオンさん、お話があります」
いつになく真剣な眼差しの
「……何?」
昨日の
「実は、昨日……」
「……という話をされたんです」
昨日の
だが、まだ話は終わっていない。
「私は、正直言うと
この上で
「シオンさん、一緒に行きませんか?」
そもそも、
「どうにかして、方法を探しましょう?」
二人が出会ったきっかけは、体の良い厄介払い。
本当は二人共もう、ここに存在していないはずだった。
だが予想に反して二人は今、他愛のない話をするようにまでなっている。
それでも、この状況がいつまでも続くわけではない。
「どう、ですか?」
あとはシオンの意思次第なのだが、
「……
彼は静かに拒絶した。
「俺のこと、そんなに気にしなくていいよ」
「だから、行きなよ。
しばらくしてようやく、
「
翌日、忘れ物をしたと再び
「
「……これで、良かったんだ」
あまり考えたくもなかったが
その時の
『あれがいなくなったら、あんたはもう用済み。だけどあんた、私に仕えなさいよ』
『……どうして』
純粋な疑問は、思わず口から漏れていた。
『だってあんた、以外と魔力持ってるし。私くらいになると、よく狙われるから、護ってもらえないと困るし』
シオンには、これが
わかるのは、頷いてもこの先に明るい未来は無いということだけ。
だからといって、拒否なんてすればどうなるかわからない。
何も答えられないシオンに、
『……ああ、でもごめんなさい。まだこのことは、お父様に話していないの。だから、それまで待ってなさい』
有無を言わせない口調。いや、拒否されるなんて有り得ないと思っているのだろう。
——どうするべきだったんだろ。
唯一自分を気にかけてくれた
——だけど、本当は……。
この願いは、どうすることもできないシオンには叶わないとわかっていた。
——なら、もういっそ。
シオンはもう、決めていた。
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