第6話 示された道
その日、
彼は見た目からして、二十代前半だろう。サラサラの黒い短髪。銀縁の丸メガネの奥には、黄水晶の瞳。
彼は廊下を歩く
「
「
彼は、
「今日は、
「……何でしょうか?」
当主の代替わりが近く、忙しいはずの
何だろうかと身構える
「
「えっ……?」
——うちって、
「
魔法使いの家で雇われている使用人は、全員魔力を持っている。魔法の存在を一般人に隠している以上、一般人を雇うことができないからだ。
血筋に関係なく、魔力を持った人間が生まれることもあるが、あまり多くないので、新しく雇える人材を見つけるのは大変なのだ。
「どうです?
だから
そんな彼女が悩んだ理由はただ一つ。
——シオンさんを、この家に残して行きたくない。
「……少し、考えさせてください」
部屋に戻った
「どうしよう」
——でも、シオンさんは?
その時シオンは、もう用済みだと逃がす、いや、捨てられるだろう。それか、消されるかの二択。
わかっているのに、黙って見過ごすなんてこと、
——でも、ならどうすればいいんだろう。
「どうすれば、二人で……」
——嫌い、大嫌い。魔法なんて、魔法使いなんて。
——だけど、
シオンのことも、シオンが上手いと褒めてくれた治癒魔法は、嫌いではなかった。
「やっぱり……無理。シオンさんを、
その日も
だが珍しく、上機嫌だ。
「ねえ、あんた、」
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