リーダーの権限

ユラとキッカの決闘から一夜開けた翌日。

俺はユラ達とキッカを宿のロビーへ呼び出して、ある決定事項を伝えた。

みんなは、主にユラは当然驚いていた。


「ちょっと、正気なのライア!?」


「正気だ。昨日の決闘は結局2人とも倒れたため結果は。だから、キッカの件に関しては、リーダーである俺の権限で、どっちもパーティーの脱退はせずに、キッカをこのパーティーに入れる事にした!」


「頭大丈夫かあああぁぁぁ!!」


ユラが、顔面崩壊に等しい表情で怒っていた。

キッカを仲間に入れると言うのは、リーダーである俺にとってもだった。

キッカは昔からの"親友"であるということもあるがそれだけじゃない。

昨日の決闘で見た拳闘士ファイターとしてのキッカの…。


キッカが仲間になれば眠れるスリーピング・女神ゴッデスはさらに強くなると確信した。


「だからリーダーである俺の権限として…。キッカ!俺達のパーティーに入ってくれ!」


「まぁ…、ライアに言われちゃ断れないよな!"親友"だし!」


よっしゃあ!

これで改めて新生(その2)眠れるスリーピング・女神ゴッデス爆誕だあ!!


「冗談じゃないわよ!私は反対よ!"今まで男だと思ったら実は女でした!"とかもありえないし!それに、ライアを狙ってるに違いないわよ!!」


ユラ…。もういいだろ…。




***




キッカを仲間に向かえたその夜。

今日も色々あったため、疲れた俺は宿の部屋のベッドに仰向けになっていた。

まさかの親友キッカとの再会故に、親友の真実を知ったのはいまでも信じられないよ…。



「ん?」


扉のノックが聞こえて開けると、キッカがいた。

俺はそのままキッカを部屋に招いてしまった。


「なあライア、ありがとな!私をパーティーに入れてくれ…。」


「別にいいよ!親友のよしみだし!」


「なあライア…。」


「ん?」


何だか様子がおかしいな?

それに、何かこいつ、さっきよりも色っぽいような…。


「ライア…。」


「っておおおおいいいいい!」




どうしたんだ!?


キッカのやつ。

いきなり服を脱ぎ出しやがったよ!!

え!?

なに!?

なにこの前にもあったような展開デジャヴ!?


「お、おい!キッカ!?」


「ライア…。私を受け入れてくれ」


「ま、待て!」


何とか俺はキッカを必死に止めた…。

どうしちまったんだこいつ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る