ユラ対キッカ

大変な事が起こってしまった。

パーティーの席を賭けてユラとキッカが組合ギルドの前で戦う事になってしまった。


まだ言っていなかったけど、ユラの職業ジョブ武闘家グラップラー

俺のように武器を一切持たずに体の身のこなしを駆使して戦闘を行う武闘派の職業ジョブだ。

前回の初級ベース迷宮ダンジョン探索でも、ユラの戦闘能力が何度か俺達パーティーの窮地を救ってくれていた。


対してキッカの職業ジョブ拳闘士ファイターらしい。

武器を使わないという事は武闘家グラップラーと一緒だが、拳闘士ファイターは拳を駆使して戦う職業ジョブだ。


そんな2人が戦うなんて事になった。

何が起きるか分かんねえぞこりゃ!!


「あんたが言い出した事なんだからこれで負けても文句言わないでよ!」


ユラが指をポキポキ鳴らしながら威嚇に等しい挑発している。

完全にユラが本気マジモードになっちまってるよ!


「望む所だよ!私だって負けるつもりは無いんだから!!」


キッカは首をポキポキ鳴らしてるよ!


女って怖いな・・・。



そんな事を考えている内に、2人の戦いが始まった。


***



2人は互いにパンチを繰り出しあっている。


ユラはキックも与えているが、キッカは手で防御したり避けたりして攻撃を防いできた。

キッカも負けじとユラに連続パンチを与えるが俊敏にユラが避けている為、こちらも防がれていた。




***




2人が戦ってから10分経った。

その間、2人の周囲には2人の戦闘を酒の肴として楽しんでいる観客で溢れていた。


いやなにこれ!?


「おい!見せ物じゃねえぞ!!」


「いいぞ嬢ちゃん達!」


「もっとやれ!」


ダメだこりゃ!!


こいつら楽しんでやがるよ!!


そんな事も知らずにユラとキッカはまだ戦いを続けていた。


だがそんな2人にも疲労が見え始めた。


「もういい加減諦めなさいよ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


「ユラの方こそ諦めなよ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


確実に2人は体力的にも限界が来ている・・・。

ここはもう・・・。


「うわああああああああああああああああああああああ」


「おらああああああああああああああああああああああ」


「え!?お、おい!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



2人が互いの顔目掛けてパンチをけしかけてきやがった。


そしてい・・・。


バキッ!!



「あ!?お、おいユラ!キッカ!!」



同時とも言えるタイミングで2人の顔面に拳が食い込んだ。


そして2人はそのまま倒れてしまった。


戦いによる疲労が結構溜まってたんだな・・・。


(2人には申し訳ないが、そのまま休んでてもらおう。)


俺はモルフィと共に2人を宿のベッドまで運んだ。

でも、よく考えたら、こいつらも必死に戦ってたけど・・・。

やっぱり俺の為に・・・。


俺はいつの間にが顔を赤らめてしまった。

とりあえず今回の戦いは、引き分けって事で!

ユラ対キッカの戦いは、これにて終幕!!

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