親友は女の子だった。
キッカは俺と同い年の14歳で、俺の両親が経営する孤児院の出身。
ーー5年前。
モルフィが冒険者として孤児院を後にしてすぐの頃だった。
孤児院に新しく入った子供としてキッカがやってきた。
やんちゃな性格で、当時は完全に俺は彼女を男だと思っていた。
こんなやんちゃなやつではあるが、キッカの両親は農家を勤めていたが、突然強盗によって殺害された事でうちの孤児院にやってきたのだった。
しかし、そんな悲しい過去にもめげない感じが俺の興味をそそり俺達は"親友"になった。
だが、キッカが孤児院に来てから半年経った頃、別れの時が来た。
キッカの里親が見つかり、キッカが引き取られる為に孤児院を出なきゃいけなくなった。
俺は泣くのをこらえて別れを告げた。
それがまさか・・・。
あんな形での再会とはな・・・。
***
「え!あんた、キッカなの!?」
「ってかお前、女だったの!?」
「ああ、ユラにミミカも!久しぶりい!」
「キッカお兄ちゃん…いえ、お姉ちゃん?とにかくお久しぶりです」
「君達の知り合いか?」
俺は今まさにびっくりしていた。
ずっと男だと思っていた
そういや、よくよく考えたら、男のくせに自分の事"私"って言ってたり、一緒に風呂に入るのを必死で拒んでいたりしたのも、よく分かったよ・・・。
「いや~ん!まさかライアとまた会えるなんて!!」
ってかさっきから俺に抱き付いていて離れようとしねえんだけど!!
何故だかは分かっているが、そんな俺とキッカに対してユラが殺気に近い眼差しを送っている・・・。
何故だか知らないが俺は恐怖を感じていた。
「ちょっと、いい加減ライアから離れなさいよ!!」
「え~なんで!せっかくの再会なんだからこれはただの友情のハグよ!」
おいおい!
キッカがこんないグイグイくるなんて…。
俺も昔同じようなスキンシップで接していたがそれはこいつを男だと思っていたからであって…。
「所でライア、そのお姉さん誰?」
「え?」
お姉さんって、ああモルフィの事か!
そういえばモルフィがうちを出た後に入ったからキッカはモルフィの事を知らないんだっけ?
とりあえず軽くモルフィをキッカに紹介した。
それ以外にも俺はキッカに俺も冒険者になった事、そしてパーティーを追い出されてユラ達とパーティーを組んだ事を伝えた。
キッカも驚いていた。
そりゃ最強と謳われている
追い出されたってのは驚くよな…。
「マジ!驚くよそりゃ!」
「まあでも、今は俺
「いいなぁ!だったらさ!私もライアのパーティーに入れてよ!」
「え?」
「は?」
「はい?」
「なんと?」
「おやおや」
な、なんだってええええええええええええええええええええええええええええ!
この前ククルをパーティーに加入させたのに今度はキッカをパーティーに入れるだってええええ!!
そういや、さっき
しかし…。
「冗談じゃないわよ!」
「え!?」
ユラがいきなり、怒り出したぞ…。
しかも顔こっわ!
「久しぶり会ったと思ったら馴れ馴れしくライアに抱きついた挙げ句に今度は"パーティーに入れて"だってえ!?冗談は口だけにしなさいよ!ライアの隣は渡さないんだから!!」
「なに?嫉妬してるの?だったら勝負する?」
「え?」
「ユラ、私と1対1で戦おうよ!」
なにこの流れ!?
何で
「いいわよ!もし私が勝ったらそのままここから立ち去りなさい!そして二度とライアに近づかないで!」
「いいよ!じゃあ私が勝ったら、ユラが出ていきな!」
なんかおかしな事になっちまったなぁ~。
(ライアは渡さない…)
(ライア、あなたのためなら)
((私達は戦うわ!))
2人の後ろで燃えているのが分かる!
本当に燃えてないけど燃えてるよ!
闘志が!!
ああ、何でこんな事に!!??
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