眠れる女神(スリーピング・ゴッデス)

俺がまだ小さかった頃。

三姉妹が遊び疲れて一緒に昼寝をする事もあった。

そんな三人の寝顔がまるで女神の如く愛らしかった為に、多くの人が癒されていた。

俺もそんな三人の寝顔には何度が和まされていた。

その時の出来事を思い出して、俺はこのパーティーの名前を眠れるスリーピング・女神ゴッデスと名付けたいと思った。


「そんな事が・・・」


昔の事を思い出して恥ずかしがっているのか、ユラは赤面していた。

正直かわいいな・・・。


「私は賛成です!」


「悪くないな!」


「ちょっ、いいの!?・・・まあでも、ライアがいいならいいけど・・・」


「よし!じゃあ、決定だな!」


こうして、俺の新たに加入するパーティー、もとい新たに発足されたパーティーの名前は『眠れるスリーピング・女神ゴッデス』に決定した。


(まさか、こうも早く新しい配属先が決まるとはな・・・それに・・・またこいつらと一緒に居られるなんてな・・・。)


俺は正直嬉しかった。

小さい頃に一緒にいた三姉妹とまた一緒に居られると言うのが。

こうしてパーティーのメンバーとして共にやって行くのが。


それにしても、こいつらも成長したな・・・。

ユラはちょっと大人っぽく・・・なってないが、胸は大きくなっている。

モルフィは色っぽいお姉さんになって・・・。

ミミカは幼さこそは残っているが、少し背が伸びていた。


新しい第一歩に正直ちょっとワクワクしていた。



***



パーティー結成の手続きを終えた俺達はさっそく仕事を探していた。

仕事は組合ギルドのボードに貼ってある依頼書リクエストの中から選べる。


依頼書リクエストには難易度があり、下から初級ベース中級ミドル上級ワースの順に三段階に分かれている。


難易度に応じて報酬も大きく変動するが、その分仕事内容もハードだったりする。

その為、多くの冒険者の間では仕事の取り合いもあり得る。


「早速だが、やっぱり初級ベースからにしておくか?」


「ちょっと!私達の実力なら上級ワースだって十分よ!」


「待てよ、実力って言っても俺達まだ結成したばかりだろ、無理いうな!」


「ミミカ、上級ワースやってみたい!」


ミミカが言い出した。

というかそれ以前に俺にはすごく気になっていたことがあった。


「大体なんでミミカが冒険者になっているんだよ!!お前まだ10歳だろ!」


「ミミカ、組合長ギルドマスターに実力見せつけたら特別に冒険者になれた!」


「実力!?一体なんの!?」


何の実力を見せたら10歳の幼女を冒険者に任命できるんだよ!」


ここの組合長ギルマスどうかしてるだろ!!


色々とっ先が思いやられる!


「少年よ、私は君の意見に従いたい・・・」


頼りになるのはモルフィだけかな・・・。

俺より先に冒険者として出たから俺からしたら先輩でもある!


「じゃあとりあえず、初級ベースからにしよう!」


とりあえず、有無を言わずに俺は初級ベースの仕事を先にやる事に決めた。


何はともあれ、俺達眠れるスリーピング・女神ゴッデスの初仕事だ!

頑張るぜ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る