三姉妹は俺をパーティーに勧誘。
ーー10年前の事だった。
俺の両親がやっている孤児院に3人の女の子が同時にやってきた。
1人は当時の俺と同い年の4歳のユラ、もう1人は4歳上のモルフィ、そしてもう1人は生まれたばかりの赤ん坊ミミカだった。
3人は親も住む家もなく明日も生きられるかも知れない日々を送っていて、場所を転々としているうちにここまで来たらしい。要するに姉妹と言っても
両親は仕事柄、その3人を受け入れた。
モルフィは年長者であるだけに2にとってのまとめ役でしっかり者だった。ミミカは赤ん坊だったからか甘えん坊で愛嬌があった。
だが、ユラには少し"問題"があった。
俺はユラ同い年である事から少し安心感があったが、ユラは不愛想で暴力的で院の他の子達は怖がっていて誰も近づこうとはしなかった。
「ユラ、お前なんでそんな酷い事するんだ?」
「みんな私を怖がるんだもん!」
ユラは泣きながら怒っていた。
どれだけ過酷な人生を送っていたかは分からないが、さぞ辛かったんだと思えた。
それ故に生きるのに必死だったようで盗みもしていたらしく、トラブルも絶えなかったとか・・・。
それでも俺はユラを理解したかった。
だから俺は勇気を出した。
「俺は怖いとは思わないぞ・・・」
「え?」
「むしろかっこいいくらいだ!」
ユラの顔が少しだけ笑顔になった。さらに照れていた。
よっぽど嬉しかったんだろうか?
それから俺とユラは共に孤児院での時間を過ごした。
三姉妹が来てから5年経った頃。
モルフィが冒険者になると言って孤児院を出た。
その4年後には俺も冒険者になる為に家を出た。
それは一時の別れでもあった。
***
ーーそして現在。
俺の目の前には、冒険者として新たに出発しようとしている三姉妹がいた。
「あんた、ライアなの?」
「ユラ…ミミカ、モルフィ…みんなどうして…?」
「ライアお兄ちゃん…ですか?」
俺は言葉を失った。
本当に目の前にいるのは、あの三姉妹だから…。
「ライア!」
「ユラ!」
再会できた喜びからなのか、ユラは俺に抱き付いて・・・。
「このばかああああああああああああああ!!」
こず、顔面にグーパンチを受けてしまった。
いきなりなんなんだ・・・!?
「あんた!冒険者パーティーに入ったんじゃなかったの!?なんでこんな所にいるのよ!!」
(そこかよ!?)
とりあえず殴られた件は後にして・・・。
俺は追放された経緯につちえ三姉妹に伝えた。
当然結衣法を言い渡された事は驚かれたものの、真に受けて出て行った俺にも驚いていた。
「なんて最っ低なのよ!
「って言われてもな・・・、
失望の中でも俺はちらちらとさっきユラ達の貼ったメンバー募集の広告を無意識に見ていた。
「なあ・・・ユ・・・」
「だったらさ!ライア!私達のパーティーに入らない?」
「え?」
ユラからの突然の勧誘に驚いた。
正直、俺もまだ冒険者を続けられると言うのなら、
でもいいのか?
俺なんかが・・・。
「あ!いや今はその思わず・・・でも、あんたがどうしてもって言うなら・・・」
ユラが頬を赤くしている。
俺何か変な事言ったかな?
「ミミカはお兄ちゃんと一緒が良いです!!」
「私も君なら歓迎する・・・」
ミミカとモルフィも俺を勧誘したがっていた。
実を言えば、どうせもう俺はパーティー無所属のフリー。
どうしようが俺の自由。
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
俺は三姉妹の誘いを受け取って、彼女達のパーティーに加入する事にした。
***
パーティー加入したは良いが、決定的な問題があった。
それは、パーティーの名前であった。
パーティーを結成する際、"名前"は大事だ。
無名のままでは仕事を受けられないどころか話すら聞いてももらえない。
ちなみに、俺が前所属していた
俺ら4人も真剣に考えたが、ピンとくる名前は無かった。
「プリティーズってなんなのよ!?」
「可愛いと思ったからです!」
「冒険者のイメージが全く無いから却下だ!」
一向に決まらねえや・・・。
なら、俺の意見を言うか。
「なあ、だったら、"
「「
"
その名前の意味は、"過去"にあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます