君のためにできること

第1話

「何をしてあげたら君は幸せ？」

「お金が欲しい」

「お金か～」半ば呆れた声で返ってきた。

「だって世の中の90%はお金で解決できると思ってるし」

「愛だってどうにかなるんじゃないかって思ってる」

「まじか～」

「なんでそんなこときくの？」

「君の幸せのために何かしたくてさ」

「それでいいじゃない」

「え？」

「幸せにできたかどうかは別にして、想ってもらっただけで幸せなんじゃないかな」

「それに してあげたらじゃないと思うよ」

幸せなんて人それぞれ十人十色。それこそ、リアルにお金が必要な状況にいる人もいる。独りがしんどい人もいる。病床にいる人、大切な人を失った人…。そんな時、形ある物も必要だけど、『誰かが自分を想ってくれてる』と確信できたら、心を強く持つことができるのかもしれない。

「幸せであるように」

「笑顔になれる日が多くありますように」

「健やかでありますように」

そして

「ずっと一緒に過ごせますように」

願う言葉も十人十色だけど、人を想う気持ちは同じなんだ。

幸せを願ってくれてる人へ

想ってくれてる人へ「ありがとう」が伝えられたら素敵だね。

「ありがとう」

「まだなにもしてないよ」

「ううん 一緒に幸せになろうね」