6:呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーん! 感想

お話

https://kakuyomu.jp/works/16818093087196390509/episodes/16818093088385398496


 着ぐるみというといろいろと別のものを思い出してしまう今日この頃ですが、やはり頑張る姿は美しい──そう思わせてくれるお話でしたね。


 着ぐるみというと思い出すのが筆者にはふたつくらいあって、ひとつはBanG Dream!シリーズに登場する「ハロー、ハッピーワールド!」というバンドですね。全体的に明るく糖度高めなお話の中に突然ズシンと心を重くしてくるようなエピソードが入ってきたりするため、略称ハロハピ推しのファンたちはいつも心穏やかではいられないというのはこの感想とは少しズレた横道のお話。もちろん、何やかんや最後には感動する終わりで締めてくれるんですけれどもね!(シャーリー編とかだいぶよかったです)

 もうひとつ思い出すのは成人向け漫画で、ゼミの先輩を名乗る男に学費を工面してもらう代わりに定期的に羊の着ぐるみ……の頭部だけを被って、羊扱いされながら慰みものにされるヒロインの姿を描いた『私は羊』という漫画なのですが、これは初めて読んだとき衝撃を受けましたね。『呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーん!』本編でもありましたが、着ぐるみを被ると傍目にはもう役者個人というよりはその着ぐるみの動物になるじゃないですか(田中くんのような熱心なファンの存在が読者目線では尊かったです)、それをくだんの漫画は、誤解を恐れずにいえば見事に悪用しているんですよね。羊としてさんざんな扱いを受けていくうちに疲弊していく心、曖昧になっていく自意識がねっとり描かれていくこの漫画は必読というレベルでオススメなのです。


※ ちなみに数年前、Twitter(当時)でこの『私は羊』を絶賛していたら作者様のお姉様を名乗るアカウントから「いいね」とリツイート(当時)をされてかなり狼狽えました(笑)


 危うく話が脱線しかけましたが、つまり見事な劇というのはひとりのスターがいるだけでは完成するわけではなく、たとえば足のフォローをしてくれた田中くんや咄嗟とっさの機転で対応してくれた魔女みつ子さん、それにミオさん演じるカエル王子にキラキラした目を送り、感情をのせてくれる子どもたちの存在があって初めて完成するのではないかな……と思うわけですね。

 そうですね、僕らの星座は君がいるから輝く──というどこかの歌の歌詞を思い出して胸が熱くなりました(極めて個人的な報告)。


 ちなみに筆者、2001~2002年に放送されていた某大魔王の娘ちゃんのアニメは全話観ていましたよという報告を添えて、『呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーん!』の感想とさせていただきます。

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