第11話訪問者
私とイヴ君が知り合ってもう2ヶ月は経つ。新緑のピークも終えてこれからどんどん熱くなるぞ!ってそんな時期。
その前にジメジメした梅雨がきちゃうから大変なんだけどね!
そして今日はとっても嬉しいイベントがあるの!
それはね
レ「杏ぅ〜!お・ま・た・せぇ〜ん!」
「レオさん!遠路はるばるお疲れ様です。疲れたでしょう?」
レ「んんー。ファーストクラスで飛んできてるからそうでもないかしらん?でも退屈ではあったわねぇ。」
そう。レオさんが日本に遊びに来てくれる日!
わざわざイタリアから和菓子を学びに飛んできてくれたの!
まさかこんな風に会う事ができるなんて思わなかったからこの日をとても楽しみにしてたんだ!
「くすくす。じゃぁこれからご飯にしません?レオさんの行きたいところも周りましょう!」
レ「あら、いいの?もうさすが杏ぅ!」
空港でこんな風にキャッキャしてるから周りの人は何事かとこっちを見てきてるけど気にしない!
どこに行きたいのかな、やっぱり観光名所かな!
◇
「あ、あのレオさん?」
レ「なぁに?」
「観光名所とか、そういうのはいいんですか?」
レ「興味ないわぁ〜。それよりも杏、これ本当に100円なの!?」
「え、えぇ。100円です。税込で110円。」
すごいわジャッポーネ!!このクオリティで110円!?
なんて大袈裟に喜ぶレオさんが真っ先に目指したの100円ショップ。
手に取っているのは日本のお菓子とか調理器具とか調味料とか…。いつでも来れるんだけどなぁ。
喜んでるからいいのかな??
レ「これは買い込んでおかないと!!杏!カゴ!」
「は、はい!」
レ「これもいいわね。これも!」
「あのぉ…レオさん?こんなに買い込んで大丈夫ですか??」
レ「大丈夫!これであのワガママ坊主を黙らせるんだからっ」
「ワガママ坊主??」
目を炎に変えてやる気満々なレオさんだけど、これは何かあったみたい。
そもそもなんで和菓子のためにここまで来たんだろ??
お菓子本も渡してあるのに。レオさんならそれで作れるんじゃ…。
レ「坊ちゃんがねぇ?どんな和菓子を作っても反応イマイチで!」
「イヴ君が?んんー…でも私の時もそんなに喜んでるようには見えないですが…」
レ「何言ってるのっ!!あなたの時はすごく喜んでるのよ!?普段から甘いものなんてそんなに食べないのに完食するしっ」
「え?そうなんですか?私てっきり甘いの好きなんだと…」
レ「ほらね!?もうっ悔しぃぃ!!」
そ、そうなんだ…イヴ君、甘いもの得意じゃないんだ…。
「…」
レ「あらん?どうしたの、杏」
「え、えっとぉ…とりあえず帰りましょっか!ママも楽しみに待ってるんです。」
レ「んま!杏のママンね!私も会うの楽しみだわぁ〜!」
レオさん、本当に楽しそう。これから帰って和菓子作るんだもんね、イヴ君喜んでくれるといいけど。
すごく気合い入ってるんだろうなぁ。だってお会計がすごく早い。店員さんもちょっと引いてるよ…
レ「さ!杏、お家まで案内して頂戴!!」
「はい!」
今夜はとても賑やかな夜になりそう!
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