第12話食べ比べやいかに!?

ただいまキッチンを使ってレオさんと和菓子制作中。


ママは夕飯の食材をうきうきで買ってるからたぶんまだまだ帰ってこないと思うんだ…。


そしてレオさんと作った和菓子を実食!お味は…


「お、美味しい!!本当にイヴ君の反応悪いんですか!?」


レ「んま!杏ったら本っ当に可愛いんだから♡そうなのよ、ワガママで困っちゃうわよねぇ?」


レオさんが作ってくれたお団子、本当に本当に美味しいの!!なんでこの美味しさで反応薄いの?って思っちゃうほど!


お店に売ってたら常連さんになっちゃうよ…。


「私のより美味しいです…。イヴ君は贅沢ですね。」


レ「本当に贅沢よねぇ!?あ、そうだいい事思いついた。」


「いい事?」


レ「ちょっと待ってて!!」


「え、ま、まってレオさんっ」


ちょっと待っててって、今すごく悪い顔してなかった!?とんでもなく速いスピードでかけだして行っちゃったけど何する気なの!?


ダダダダダダダダ!!!


レ「ぜぇっはぁっ!!お、お待たせ杏…」


「おい離せレオ!!なにすんだ!!」


「イヴ君!?どうやって?」


わわわ!本当にすぐ戻ってきたっ。レオさんの笑顔が黒いっ!!イヴ君はすごい怒ってるしカオスすぎる!!


でもどうやってイヴ君連れてきたんだろ??あの鏡は私とイヴ君しか通れないのに…。


「どうもクソもあるか!!レオの奴が鏡の前で俺を呼んでたんだ、だから顔だけ出してなんだって聞いてみりゃぁ!!」


レ「顔さえ出してくれれば引きずり出すなんて簡単だわ。坊ちゃんに食べてほしい物があるのよ。はい、これ。」


「食べてほしい物って…それ、片方私の手作り… 」


コト、コト。とレオさんが2つ並べたお団子。


1つはレオさんお手製のお団子でもう1つは私が作った物。


なんで並べてるの??


レ「坊ちゃん。食べ比べて。」


「はぁ?」


レ「食べ比べてどっちが好みが教えてちょうだい!!」


「はぁぁ!?!てめぇそんな事のためにあんな怪力で俺を引きずったのか!?」


レ「そうよ!!私坊ちゃんのためにわざわざジャッポーネ来て和菓子学んでるんだからっ!!気になるじゃない!!」


「おま…はぁ…頭いてぇ」


ふ、2人の熱量に置いてかれてる…


でもイヴ君が折れたのかな?すごい不機嫌丸出しに舌打ちしてレオさんの方からお団子食べだした…。


「モグモグ」


レ「じー。」


「モグモグモグ。ごっくん。…悪くねぇ。」


レ「こっちは?」


「はぁ…なんで俺がこんな事…。モグモグ」


「(ちゃんと食べるんだ…。)」


「モグモグモグ。ごっくん。…」


レ「どう?坊ちゃん。」


うぅっなんだろ、すごく緊張するっ。


どっちも好みじゃないって言われたら傷つくし片方だけでも気持ちは沈みそう…。


とりあえずお茶用意しようかな…


「…。こっち。」


レ「!?!」


「最後に食った方」


レ「が!?なに!?」


「うるせぇな。最後に食った方が俺は好みだ。」


「え?」


レ「なんでよぉぉ!?!」


コトリ。とイヴ君の前に温かいお茶を出したらチラッと見てズズズと飲んでくれた。


レオさんは頭を抱えて膝から崩れ落ちるし…。


わ、私は嬉しいけど…。


「もう1つあんだろ、出せ。」


「う、うん」


レ「シクシクシク…ねぇ杏…あなた他に何か入れてるのぉ?」


「特に変わったものは…あ、待ってレオさん!冷蔵庫見ないでっ」


レ「え?」「?」


しまった、イヴ君がお団子もう1つって言うから冷蔵庫にしまったお団子出そうと扉を開けたんだっ!


今冷蔵庫の中には隠しておきたい物があるのに、レオさんに見られちゃうっ!!


レ「なによ?あなたが声を荒らげるなんて珍しい。気になるわね?」


「ま、まって!本当にまって!」


「どうせくだらねぇモンだろ。それより早く団子よこせ。」


レ「んー?…あら?これ」


「あわわわ!!」


ダメだ!!レオさん大きすぎて私の頭の上から取り出しちゃった!!


それは…っ


レ「マフィンとマドレーヌ??可愛いラッピングね。あ、まさかコレ坊ちゃんに?」


「は?俺?」


「あっと…えっと…」


レ「んもぉ、なんで隠すのかしら?あげるわよ、いいわね?」


「でも…イヴ君甘いものは得意じゃないって…」


とても美味しくできたコーヒー風味のマフィンとダークチョコレートのマドレーヌ。


大量生産したからイヴ君とレオさんにもって、取っておいたの。


レオさんには来た時に出そうって。でもイヴ君、甘いものは得意じゃないって聞いちゃったから…後で誰かにあげようと思ったのに…。


レ「あら可愛い!!はい、坊ちゃん。1口食べてみたら?」


「あ、その…無理しないで…」


「…。パクッ。」


レ「ど?美味しいかしら?」


「パク…。パク。」


「イヴ君?」


む、無言だ。無言が1番辛い。


食えるかくらい言ってもらった方がラクだよぉぉ…。


「…残り」


「?」


「後で持ってこい」


レ「んま!?杏、私には!?」


「あ、あります…けど…」


これは美味しかった判定かな?横でレオさんがとても喜んでる。


イヴ君もまったく食べられないってわけじゃないんだ…よかったぁ…。


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