第6話初メイク完成!

あれから数時間。


友「うん、なかなかいいデキじゃない?」


「そうかな?」


メイクしてもらって私もやってみて。そんなのを繰り返してたんだけど、やっぱり難しい…


友達はいいデキって言うけどなんだか私に合ってない気がするんだよね。


なんでだろ?流行りの色なのに。


友「そうだよいいよ!明日はぜーったいコレで来るんだよ?それで見返そう!」


「う、うん。ありがとう…あ、お土産持ってくるね!」


友「はぁ〜い」


自分では合ってないって思うだけなのかな?だってあんなに褒めてくれるんだもん。


もっと自分に自信持つべき?


「今日はありがとう。明日頑張るね」


友「絶対お化粧してきてね!お菓子ありがと。バイバイ!」


「うん…。帰ってった。さて、私は追加でお団子作らないと。」


元気に手を振って帰っていく友達に私も見えなくなるまで手を振り返す。


ヨモギ、まだあったかな?そんなにいっぱいはいらないかな?


待っててくれてるし他にも何か作ってみようか。


「ヨモギあって、餡子に粉もある。あ、寒天だわ。生クリームも…そうだ!」


喜んでくれるかは分からないけど、作ってみよう!



「おせぇ。」


待っててやるとは言ったがおせぇ。


何してんだ?こっちは暇じゃねぇってのに。


「様子見に行くか。」


仕方ねぇから立ち上がってあの女の部屋に入ってみれば、何だこれ?


まさか化粧?


それだけのために俺はここまで待たされたのか!?


ーガチャ


「あれ?来てたの?」


「来てたのじゃねぇよ。お前これ…なんだその顔。」


「お化粧のね練習をしてたの。した事なかったから…」


って。手に菓子みてぇなの3つ持ってゆっくり戻ってきたが。


全っ然似合ってねぇ。なんだこの派手なピンクは。自分の顔が地味だって理解してねぇのか?


「した事ねぇならする必要ねぇだろ、その地味な顔で」


「ゔっ。そ、そりゃイタリア人と比べれば日本人の顔は地味だけど…変?」


「全然似合ってねぇな。その地味顔に使われるその色が可愛そうでならねぇよ。」


「そこまで言わなくても…」


本当の事だろ?つーかこいつ何歳だよ。こんなガキのクセに化粧なんざ女の考える事が分かんねぇな。


もっと胸とケツ出てから色気ずけよガキが。


「ガキが何してんだか。」


「ガキって…。私もう17だもん。」


「…は?もう1回言ってみろ。」


「17歳だよ、私」


「同い年!?お前が!?」


「え?そうなの?」


嘘だろ17歳!?冗談はそのなにも成長してねぇ顔と体だけにしろよな!?


それとも俺の周りの女がおかしいのか?


いや、それは絶対ねぇ。


「成長してなさすぎだろ。」


「そんな事ないよっ。もう!ねぇ、そういえば君の名前は?なんて呼べばいいかな。」


「イヴ。好きに呼べ」


「あ、教えてくれた。てっきり意地悪されるかと。」


「お前程度ならなんの脅威にもならねぇからな。お前程度なら。」


「2回も言われたっ。脅威って何に対してよ…」


「ふん。いいから持ってきたもん寄越せ。変なの入れてねぇだろうな。」


「入れるわけないじゃん。お団子はよく噛んで食べてね?モチモチだから。これはクリームあんみつ。ホイップと餡子入れて、黒蜜かけて食べてね」


はい。とか言って渡してくるがそんなに注意多いのか?たかだか菓子を食べるだけで。


普段どんな危険物食ってんだよ日本人。


「貰ってくぜ。」


「…うん」


「…。その。なんだ。メイクアート呼んでやる。学んでこい。」


「え?」


「思ったより大量に貰ったからな。ケジメだ。嫌なら断れ」


「ううん…ありがとう」


物貰って帰るつもりが…泣かれそうだったからつい声かけちまった…


女を泣かせたとなったら気分悪ぃ。


こんな貧相な奴でも一応女だからな。


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